LINE を使った受診日時のお知らせを一時的に休止しています。詳しくはこちらをご覧ください。

東京・銀座の心療内科・精神科・メンタルクリニック

オンライン
予約
お問い合わせ
アクセス
診療時間
精神医学

試験勉強のコツ

銀座泰明クリニックは約15年前の開院当初、周辺地域で就労しているビジネスパーソンを対象としておりました。しかし、最近は「小中高生」の受診者も数多くいらしています。主訴は「不登校・ひきこもり等」ですが、背景に「 不安・うつ/神経発達症群(自閉症スペクトラム症、ADHD. Attention Deficit Hyper activity Disorder 注意欠如・多動症)」が考慮され、幼少期から多少ながら不適応のエピソードを生じつつも、看過されてきました。しかし、義務教育を終える中学3年生、および思春期でもある15歳頃になり「事例化」することが多いようです。

そこで、中学3年生15歳前後の青少年が対峙する課題である「試験勉強」について「コツ」をご紹介いたします。その理由は、不登校・ひきこもり等から、学習が滞りがちの中、定期試験・入学試験と「試験」のストレスから更に病状悪化されている方々が少なくないと見受けられるからです。効率的に試験勉強を行い、学業成績を向上すれば、志望高校や大学へ進学することがかなうことへ通じます。これは余計な薬を処方する良いことでしょう。

小生は大学・大学院受験など経てきました。特に医学部の後半4年間は「試験漬け」だった言っても過言ではありません。および塾・予備校・看護学校・大学講師などの経験も有しております。そのような「受験者・出題者」の立場から、僭越ながら悩める青少年の方々へ多少の助言をできれば幸いです。

まず、講師・出題者の立場から、普段の講義はもとより、期末に短時間にて出題すること、採点することは、とても労力を要する作業です。従って、出題者はできる限り、簡単に出題・採点できる形式を採用したいのが本音です。その究極の形式が「マークシート」です。大学入試センター試験はその最たるものでしょう。最近は更に進化し、各種の資格試験において、“CBT. Computer Based Testing” が導入されているそうです。

このような機械的な試験に対しては「機械的」に勉強しましょう。バットやラケットの素振りと同様「反復練習」です。あなたが「天才(瞬間記憶、カメラアイ、サヴァン症候群/自閉症スペクトラム症)」でない限り「過去問3-5-10年分(入手できる限り)」を「3回」は繰り返しましょう。

第1回目:できないことを前提で「通読」で構いません。
第2回目:実力試しとして解きましょう、できなかったところは✔しておきましょう。
第3回目:2回目にできなかったところのみを集中的に覚えましょう。

記憶の方法は頭のみでなく「体」も使いましょう。「声」を出したり、紙に「書」いたり、語学ならば耳から「聴」いたり、とにかく「五感覚」を総動員することが有効です。さらに覚えたことを他人「教える」ことも有効と言われています。「情けは人の為ならず」は試験勉強にも合致することわざですね。

睡眠や食事は規則正しく摂らなければなりません。かつて「四当五落」という「迷信」がありました。五時間睡眠では不合格、四時間睡眠なら合格するという意味らしいです。しかし、日本睡眠学会によると、記憶はノンレム睡眠中に整理・定着され、最低睡眠6時間以上、摂らないと、心身とも不健康に陥るため、「四当五落」は明らかに誤りと言えます。さらに、少なくとも24時前に就寝・入眠すること、深夜2-3時「うしみつどき」と呼ばれる時にノンレム睡眠にあることが重要です。

食事は 和食、一汁三菜、まごわやさしい、ま:豆類、ご:ごま、わ:わかめなどの海藻類、や:野菜、さ:魚、し:しいたけなどのきのこ類、い:芋類、が良いです。特に、「青魚」に含まれている「ω3脂肪酸」は脳神経細胞を保護するため、近年、世界中で注目されています。反対にジャンクフードやソフトドリンクは避けるべき食事です。

最後に論文や面接についてご説明しましょう。就職はもとより、入試においても学力より人物評価をと、論文や面接を重視する大学が増えてきました。医学部では30年以上前から「人を診る」人を育てる学部であるから論文や面接に比重がかかるようになりました。

主な内容は科学と倫理に大別されます。科学は、基礎医学の英語論文を読めるかどうかで、これは“Pubmed”というWebsiteを検索されると無料で数多くの論文を検索することができます。最近でしたらコロナ関連の医学論文が流行ではないでしょうか。

倫理は科学や医学の進歩に伴い、改めて医師の「人間性」を問われる時代となっています。特に、生殖医療や終末医療のような生命の初めと終わりにおいて医師は本人・家族と割り切れない選択に直面させられます。この時に必要なことは、答えを示すことではなく「一緒に悩む」ではないかと思います。答えは決して一つではなく、二つ三つとあり、本人・家族とも迷い、決めきれないでいることでしょう。医師は「寄り添い」いずれの選択肢においても、援助する姿勢を示すことべきでしょう。人間性を養うためには人生経験を積むことが一番ですが、思春期・青年期は、読書・映画(名作)、そして感想文1200文字以上(読後・視聴後の感想の言語化・文字化)を書くことをお勧めします!

この記事は参考になりましたか?

関連記事

PAGE TOP