大久保清(おおくぼ きよし、1935年1月17日 – 1976年1月22日)は、日本の連続殺人犯です。1971年3月から5月にかけて、群馬県内で8人の若い女性を誘拐・殺害したとして知られています。
生い立ちと初期の犯罪歴
群馬県碓氷郡八幡村(現在の高崎市)に生まれた大久保は、幼少期から問題行動が見られました。1955年、20歳の時に初めて強姦罪で逮捕され、その後も複数の性犯罪を繰り返し、何度も服役しています。
連続殺人事件
1971年3月から5月にかけて、大久保は自家用車を使い、美術教師を装って若い女性に声をかけ、モデルになってほしいと誘い出しました。この手口で8人の女性を誘拐し、殺害したとされています。
逮捕と裁判
1971年5月、大久保は婦女暴行容疑で逮捕され、その後の取り調べで連続殺人が明らかになりました。1973年に死刑判決を受け、1976年1月22日に刑が執行されました。
関連作品
この事件は多くのメディアで取り上げられています。例えば、1983年にはビートたけし主演のドラマ『昭和四十六年 大久保清の犯罪』が放送されました。 また、筑波昭氏による書籍『連続殺人鬼大久保清の犯罪』も出版されています。
🧠 大久保清の精神病理的特徴
1. 反社会的人格(ASPD)との関連
- 幼少期から虚言癖、盗癖、暴力傾向があったとされます。
- 性的暴力や殺人を繰り返す中で、被害者への共感が極端に乏しい。
- 社会的ルールや他者の権利を無視し、自分の欲求を優先する傾向は、反社会的人格障害の典型的な特徴と一致します。
2. 性嗜好障害(性的サディズム)
- 彼の犯行には、性的な支配欲と暴力が深く結びついていました。
- 「モデルになって」と甘言を用いて女性を誘い出し、監禁・暴行・殺害というプロセスには、性的サディズム的な傾向が見られます。
3. 自己愛性パーソナリティの傾向
- 「美術教師になりたい」「芸術家を目指している」など、自らの虚像を誇張し、自尊心を満たそうとする行動が見られました。
- 現実の自分に満足できず、理想化した人格を演じることで他人を欺く傾向があります。
4. 空想と現実の混同
- 一部の精神鑑定では、「現実との境界が曖昧になっていた可能性」が示唆されています。
- 自身を「美術家」や「才能ある芸術家」と信じ込み、それが犯行の中での正当化に繋がっていた。
🧪 精神鑑定結果(当時)
1971年の逮捕後、精神鑑定が行われましたが、
- **責任能力は「あり」**とされ、完全な精神病(統合失調症など)ではないと判断されました。
- 精神障害の疑いは一部指摘されたものの、裁判では「刑事責任能力を有する」とされ、死刑判決につながりました。
📝 精神科医・犯罪心理学者による後年の分析
後年、多くの犯罪心理学者がこの事件を分析し、以下のような見解を述べています:
- 「大久保は“典型的なサイコパス”であり、感情の欠如・自己中心性・他者操作欲が強い」
- 「一見知的で社交的に見えるが、裏では冷酷な計画性を持つ二重人格的な構造を持っていた」
- 「芸術への欲求と性犯罪が混ざり合った独自の妄想世界に生きていた」
