空想虚言/経歴詐称
空想虚言とは、内容が虚偽であることを認識しており、欺こう(あざむこう)という意思を持つ真の虚言と、自己暗示から虚構な内容を真実であると誤り信じ話す、妄想と回想錯誤の混合症状です。虚言の内容は誇大的・優越的であることが多いですが、自分の不幸を過剰に語り、周囲の同情を集める例も少なくありません。
顕示型という自分を実際以上に見せかける人格を基底とします。またはヒステリー性格、演技性パーソナリティとも言えます。
病歴を詳細に調べると、顕示性の裏側には心的外傷や劣等感が見え隠れし、それを代償するため、虚言を呈する例が多いです。時々話題になる有名人の経歴詐称も同様です。
虚言が他者や世間の迷惑となり、本人に直面化されない限り、なかなか治療対象にはなりません。しかし、一転スキャンダラスなニュースとなった時が治療の好機です。本人の心的外傷を思いつつ、あるがままの自己を受け容れられるよう援助できることが理想です。