自尊心Self Esteem
自尊心Self Esteemとは、自己に対する肯定的な態度、「ありのままの自己を受け容れ尊重」する態度。自尊心は「とても良いVery Good」より「これで良いGood Enough」と感じられることを重視しています。
自己効力感Self Efficacyとは、ある状況で「行動を遂行できる能力がある」と認知する態度。
自尊心と自己効力感は類似していますが、自尊心は「自己」、自己効力感は「能力」に焦点します。
ほか「自己肯定感」「肯定的自動思考」などあります。
自尊感情尺度 Resenberg1965
- 私は、自分自身にだいたい満足している。
- 時々、自分は全くダメな人間と思うことがある。
- 私には結構、長所があると感じている。
- 私は、他の大半の人々と同じくらい物事をこなせる。
- 私には誇れるものが大してないと強く感じることがある。
- 私は時々、役に立たないと強く感じることがある。
- 自分は少なくとも他人と同じくらい価値ある人間と感じている。
- 自分のことをもう少し尊敬できたらいいと思う。
- 私は、よく落ちこぼれだと思ってしまう。
- 私は、自分のことを前向きに考えている。
1;強くそう思わない 2;そう思わない 3;そう思う 4;強くそう思う
低い<20 平均;25 30<高い
重要なことは「とても良いVery Good」ではなく「これで良いGood Enogh」を重視していることです。自尊心の低い方は劣等感を代償しようと過剰な努力をされていることが少なくありません。
それが仕事や生活において支障なければいいのですが、過ぎたるは及ばざるがごとし。得てして何らかの不適応を生じます。高い業績を目指し続ける会社員、良い妻・母を演じつ続ける女性など。余暇はもとより、睡眠や食事まで摂らず、努力されている方がいらっしゃいます。結果、1-2週間すると力尽き、寝込むことを繰り返されています。
解決策は上記の通り「ありのままの自己を受け容れ尊重する態度」を養うことです。それには「生い立ち(家族歴・生活歴)」を振り返り、「自分史」として記述することです。ただし、自尊心の低い方は「逆境的・小児期・体験・ACE. Adverse Childhood Experience」を経たことが少なくないため、なかなか思い出したくないものです。その際は無理せず、良かった思い出から書き出しましょう。一人で難しい際は、当院デイケアなどで、同じような体験を経た方々と体験を共有しながら、少しずつ書き進むことをお勧めします。