患者が創傷を故意に生じたり疾病に敢えて罹患する精神障害。
母親が子どもの病気を捏造する場合は「代理Munchhausen症候群」と呼称。
DSMでは虚偽性障害において最重症とされています。
1951年、Asherが「ほらふき男爵の冒険」で有名な18世紀に実在した
“Baron von Munchhausen バロン フォン ミュンヒハウゼン”の名を冠し命名しました。
主症状:空想虚言、遍歴(放浪)、再発の繰り返し
副症状:境界性・反社会性人格障害、(小児期)愛着遮断障害、平静な⇔演技的な態度
医学に関する知識、複数回の入院・治療歴
自験例、地域のICUにて不明熱を繰り返していた30代の女性、ある時、点滴に自分の唾液を混入しているところを看護師が発見。何か精神的な問題があるのだろうと本人へ優しく問いかけて、精神科へ転科。定期的・長期間の面接を重ね、幼少期からいつも1歳下の妹に母の愛情を奪われてきたという寂しさが吐露された。