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精神医学

DVの脳科学

🧠 DV加害者の脳科学的特徴

1. 前頭前皮質の機能低下(理性のブレーキが弱い)

  • 前頭前皮質は、感情のコントロール・衝動の抑制・社会的ルールの理解に関係。
  • DV加害者ではこの部位の活動が低下しているという研究あり。
  • 結果:怒りを「暴力という行動」に直結させやすくなる。

❗ 例:小さな苛立ちがすぐ暴力に変わる → 理性が感情に追いつかない


2. 扁桃体の過剰反応(過敏な怒りのスイッチ)

  • 扁桃体は「脅威」や「恐怖」に敏感に反応する部位。
  • DV加害者では、相手の言動を過剰に攻撃と認識しやすく、怒りや恐怖のスイッチが入りやすい。
  • → 「些細な口論」でも脳が「敵対」と判断し、反応が過激になる。

3. 報酬系(ドーパミン)の偏り

  • 一部の加害者は、支配欲・支配行動によって快感(報酬)を感じている可能性も。
  • これはドーパミンが関与しており、コントロールや優位性を得ることで一種の「達成感」を得る。

⚠️「相手が従う」=報酬 → 暴力を強化してしまう悪循環


💔 DV被害者の脳科学的影響

1. PTSDによる脳の変化

  • 長期的なDVを受けると、**PTSD(心的外傷後ストレス障害)**になることが多く、以下の脳部位に変化が現れます:
脳の部位影響
扁桃体常に過敏状態になり、小さな刺激でも恐怖反応が出る
海馬記憶・学習に関係するが、萎縮することで認知力や判断力が低下
前頭前皮質冷静な思考や判断ができにくくなる

2. 学習性無力感と脳の可塑性

  • 「何をしても暴力が止まらない」と学ぶと、脳がそれに適応し無力感を記憶として定着。
  • この状態では、「逃げよう」「助けを求めよう」とする回避行動すら抑制されてしまう。

3. オキシトシンによる「絆」

  • DVの後に加害者が見せる「優しさ」「謝罪」によって、オキシトシン(愛着ホルモン)が分泌される。
  • 結果:「この人には良いところもある」「私がいなきゃダメになる」など**錯覚的な絆(トラウマボンド)**が形成されやすい。

📌 DVの脳科学:まとめると…

視点加害者被害者
理性の働き前頭前皮質が弱い(抑制が効かない)判断力が低下(長期ストレスによる)
感情の暴走扁桃体が過敏で攻撃的反応扁桃体が過敏で逃避反応
神経のクセ支配=報酬と学習している無力感=当然と学習している
ホルモン怒りや支配に快感恐怖のあとに愛着が強化される

🔄 回復には「脳の再学習」がカギ

  • 加害者 → 認知行動療法や共感トレーニングで「暴力以外の手段」を学習し直す
  • 被害者 → 安全な環境でトラウマ反応を和らげ、**「逃げてもいい」「助けを求めてもいい」**という新しい思考パターンを作る

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