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精神医学

DVの心理学

🔍 DVの心理学:加害者側の心理

1. 支配欲とコントロール欲求

  • DV加害者の多くは、「相手を思い通りにしたい」という支配欲が強い。
  • 自分の不安・怒り・劣等感を、暴力という手段で「外」に向けてコントロールしようとする。

2. 感情コントロールの未熟さ

  • 怒りを適切に処理・表現する方法を知らず、暴力に頼る。
  • 怒りの背景には、自尊心の低さや過去のトラウマがあることも。

3. 外的要因のせいにする思考パターン

  • 「お前が悪いから怒った」「俺は悪くない」といった責任転嫁をする傾向。
  • 被害者の行動を「暴力の引き金」にすることで、自分を正当化。

4. ジェンダー観の偏り

  • 「男は上、女は従うべき」といった**固定観念(マチズモ)**が根底にあるケースも。

💔 被害者側の心理

1. 恐怖と無力感(学習性無力感)

  • 何度も暴力を経験するうちに、「どうせ逃げられない」「逆らったらもっとひどくなる」と思い込む。
  • この状態を学習性無力感といい、心理的に「自分の人生を変える力がない」と信じ込まされる。

2. 自己否定・自己責任化

  • 加害者の「お前が悪い」という言葉を繰り返し聞かされることで、
    • 「自分さえ我慢すれば…」
    • 「私が悪いんだ」 と感じるようになる。

3. 一時的な優しさへの依存

  • 暴力の後に見せる「謝罪」や「優しさ」によって混乱する。
  • これは「トラウマ・ボンド(絆)」と呼ばれ、暴力と愛情がセットになることで依存が深まる。

4. 周囲からの孤立

  • 加害者が意図的に「友達と会わせない」「家族と連絡させない」などして孤立化させる。
  • 結果、逃げ場がないと感じ、関係を断ち切るのがますます難しくなる。

🧠 心理学的視点で理解する理論

理論概要
サイクル理論(レノア・ウォーカー)DVには「緊張 → 暴力 → ハネムーン期」の3段階が繰り返されるパターンがある。
トラウマ・ボンド理論恐怖と愛情が混ざることで、加害者との絆が強化される心理現象。
愛着理論幼少期の不安定な愛着スタイルが、大人になっても不健全な関係に惹かれる傾向を生む。

🛑 なぜ抜け出せないのか?

  • 「愛されている」と思いたい心理
  • 子どもがいる・経済的に依存している
  • 恐怖による萎縮
  • 「周りに信じてもらえないかも」という孤立感

このような要素が複雑に絡まり、心理的な檻を作り出してしまいます。


🌱 DVから回復するために

  • 安全確保が第一:物理的・心理的な距離をとることが最優先。
  • 第三者の支援:カウンセリング、DVシェルター、相談窓口などの活用。
  • 自尊心の再構築:自己肯定感を取り戻すプロセスが必要。
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