「境界 Boundary」とは
精神医療、特に「精神療法」において「時間・場所・金額」などを決めて守ることです。
患者さんは「非日常」の「治療空間」において、「日常」の「生活」では語ることのできなかった、「過去」や「秘密」を語ることができます。それらは気づかなかった「無意識」のこともあります。
「治療空間」を守るため「治療者」は「自己開示」を「制限」すべきであり、患者と診療以外にて接触すべきではないとされています。
これらを診療の「構造」や「枠」と呼び、いわばプロレスの「ロープ」のような存在です。
「治療」の「態度」と「境界」とは
中立的態度 | 積極的態度 |
中立・受動・合理的 | 積極・柔軟・共感的 |
科学的 | 人間愛 |
「隠れ身」を保つ | 「親しみ」を表す |
逆転移を「調整」 | 逆転移を「利用」 |
「内面」を重視 | 「適応」を重視 |
父性的 | 母性的 |
治療同盟の成立困難 | 行動化や転移を生じる |
境界侵犯 | 境界横断 |
悪性・搾取 | 良性・有益 |
反復 | 単発 |
重大 | 些細 |
相談不能 | 相談可能 |
治療を損なう | 治療は損なわれない |
患者を傷つける | 患者を傷つけない |