
「躁病(感情高揚・意欲亢進)」と「うつ病(抑うつ気分・意欲低下)」
「躁うつ病」は「精神分裂病」と「内因性精神病」とされてきましたが、
「偏見」「差別」を回避する目的から「感情障害」「気分障害」と呼称されてきました。
「双極性スペクトラム障害 Bipolar Spectrum Disorder」Ghaemi SN et al 2001 へ進化しています。
A. 少なくとも1回の大うつ病エピソード
B. 自然発生的な躁・軽躁病相はこれまでない
C. 1. 第一度近親における双極性障害の家族歴まはた
2. 抗うつ薬により惹起される躁あるいは軽躁
D. C項目がなければ以下9項目のうち6項目
1. 発揚性パーソナリティ
2. 反復性大うつ病エピソード(>3)
3. 短い大うつ病エピソード(平均3ヶ月未満)
4. 非定型うつ症状
5. 精神病性うつ病
6. 大うつ病エピソードの若年発症(25歳未満)
7. 産後うつ病
8. 抗うつ薬の効果減弱(wear-off)
9. 3回以上の抗うつ薬治療への非反応

正常な気分の波 < 気分循環気質 < 気分循環症 < 双極Ⅱ型 < 単極躁病 < 双極Ⅰ型

躁転の可能性 1. 若年発症 2. 家族歴 3. 精神病症状
2回目の病相2−5年後、しかし次第に間隔短縮、5回目から1年以内に繰り返し…

生物学的治療 < 心理学的治療 < 社会学的治療 < Lifestyle治療

双極性障害「極性指数」

双極性うつ病に対する薬物の効果性と忍容性

躁うつ病の治療目標 本人が心がけること
「寛解」服薬継続しつつも、おおむね症状消失している状態が一定期間継続していること、
「治癒」や「完治」「根治」といった無理を求めないことです。
「躁」状態を抑制し、周囲・本人への影響を最小限に止め(特にⅠ型)、
「鬱」状態の苦痛を緩和、特に「自殺」を防ぐことです。
「低目安定」「一歩、下がる、状況から距離を置く、自分を客観視する」
「出る杭は打たれる、能ある鷹は爪を隠す、大智は愚の如し、深い河は静かに流れる」など