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精神医学

詐欺の心理

詐欺の犯罪・被害が後を断ちません。高齢者や障害者はじめ社会的弱者と言われる方々を対象にした「特殊詐欺」という、被害者へ電話やメール・ラインなどにより、対面することなく、信頼させ、指定した預貯金口座への振込みその他の方法により、不特定多数の者から現金等をだまし取る犯罪が横行しています。

詐欺の加害者とはどのような人物でしょう。精神医学の見地から説明しますと演技性・反社会性パーソナリティ」と考えられます。外見は本物以上に本物らしく立派に着飾り、会話はよどみなく、自分は大きな組織と関わっているとか、立派な資格を持っているとか大きく見せかけます。時に被害者の身の上に耳を傾け、弱みを見つけたら、それをしっかり握ります。


耳を傾けても、共感はしないところが「反社会的パーソナリティ」の人物です。弱みを見つけ、それを被害者の心の隙につけいるため利用します。彼ら彼女らには「良心の呵責」がありません。被害者が悲しんでも苦しんでも平然としていられる「冷淡な心」があるのです。「サイコパス」とも言われる人物です。以前、記しましたが、最近では脳の器質的な異常が示唆されており、これまで語られてきた「不幸な生い立ち」のみでは説明できないとされています。


一方、詐欺の被害者は上記の通り社会的弱者が多いのですが、精神医学的に説明すると「依存性パーソナリティ」の方々が少なくないと考えられます。自分一人では自立しきれず、誰かに決めてもらわないといけない人。それゆえ、普段は医療・福祉関係者に頼っています。それが悪魔の仕業で、加害者にそそのかされ、誰にも相談することなく、大事な預金や年金などを偽りの口座に振り込んでしまうのです。最近は加害者が海外におり、日本の捜査が及ばない例も多いようです。結果、泣き寝入りせざるえないことになり、本当に気の毒です・・・

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