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精神医学

薬剤性パーキンソニズム

「薬剤性パーキンソニズム」とは「ドパミン遮断薬」である「抗精神病薬・制吐薬」などによりパーキンソン症状が生ずることです。具体的には、服用している過程で、手が振るえる(振戦)、体が固くなる(筋強剛)、表情がなくなる(仮面様顔貌)、じっとしていられない(アカシジジア)、口をモグモグする(ジスキネジア)などです。


「パーキンソン病」は60歳前後から発症、中脳・黒質・線条体におけるドパミン神経細胞の脱落・分泌の低下により、パーキンソン症状を生じます。薬剤性と比較し、片側性であること、緩徐な進行であること、運動症状のほか、疼痛、便秘、頻尿、起立性低血圧など自律神経失調症状も併発します。

薬剤性パーキンソニズムに対して行うべき第一のことは「予防」です。パーキンソン症状を生じうる薬剤を処方しないこと、すなわち第一世代・定型抗精神病薬を用いないことです。制吐薬はメトクロプラミド・ドンンペリドン・イトプリドが相当します。制吐薬は高齢者に長期処方され薬剤性パーキンソニズムを認められることがあります。

とはいえ、WHOの報告によりますと薬剤性パーキンソニズムの発生頻度は0.05%、75歳以上の高齢男性に多く、原因薬剤はスルピリドとハロペリドールが最も高く、次いで、リスペリドン、アリピプラゾールとなるそうです。

「二次予防」は「早期発見・早期治療」です。原因薬剤の減量・中止、レボドパ・アマンタジン・抗コリン薬の処方、およびパーキンソン病の鑑別診断(頭部MRI,DAT SPECT)です。「三次予防」は「再発予防」です。原因薬剤はしっかりお薬手帳やスマホ・PCに記録しましょう。これからの時代は医療DXによりマイナンバーにこれらの情報も記録されることになるでしょう。

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