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精神医学

自閉と隠遁;隠遁のすすめ

「自閉」と「隠遁」は「ひきこもる」行動において共通していますが、背景の精神は異なります。自閉は受動的で、本来は外へ出て、人と交わりたい、またはしなければならないと思いつつ、かなわない状態です。隠遁は能動的で、外出や対人交流できるけれど、敢えてしないことです。その意図は世俗の価値から離れ、本当の幸福や生きがいなどを模索することにあります。


世俗の価値とは「色・金・名誉」が代表です。いずれも脳内の“Dopamine”を刺激し、過ぎると「依存症」になります。「生活臨床」という精神医学の学派は、これらの価値が統合失調症の発症する心因となると指摘しました。人間が生きていく原動力となる価値観ですが、場合により精神変調をきたしてしまいます。そのような時は積極的に「隠遁」し、世俗の価値や自分の生きがいを冷静に見極めることが有用です。


「隠遁」と言っても一人で簡単にできるものではありません。日常の喧騒から時間・空間を隔て、内省することは、一時的に心理的な苦痛を覚えるかもしれません。西洋では“Retreat”といい、キリスト教・修道院にて禁欲的な生活を送ることが行われてきました。最近は“Mindfulness”という、坐禅を援用した心理療法の組み合わせが施行されていますが、日本ではまだ普及しておりません。

隠遁と心理療法の組み合わせで日本で最も有名な方法は「集中内観」でしょう。内観研修所へ6泊7日宿泊、朝から晩まで「内観三項目;お世話いただいたこと、お返しできたこと、ご迷惑おかけしたこと」を、母父、兄弟姉妹、恩師など自分と深い関わりのあった人々に対する「自分」を調べる作業(さごう)です。これにより「宿善開発」「感謝報恩」「転迷開悟」の境地に至ります。わずか1週間ですが、その効果は数年間に匹敵するとも言われているいます。機会あらば是非お試し下さい。

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