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精神医学

精神医療と身体感覚

精神と身体は相反するように受け取られやすいですが、実際は不可分です。古くから「心身一如」と言われ、密接な関係を指摘されてきました。

精神疾患では様々な身体症状を呈します。頭痛・めまい・吐気、腹痛・下痢などはうつ病の身体症状として頻繁に認められます。心身症とは実際に身体疾患を基礎としながら、心理的な要因により病状が変動する疾患です。具体的に気管支喘息、胃・十二指腸潰瘍、メタボリック症候群などは、身体的な治療に加え、心理療法を施すことにより好転することが認められています。


心理療法を施す際は、言葉を尽くすのみでなく、「身体感覚」へ働きかけることが有効とされています。人間は言葉を超えた「身体記憶」を有しています。あらゆる精神疾患の治療指標で最も重要とされるのは睡眠と食事です。これらを十分摂れるようにすることが治療の第一歩です。

昨今の臨床で最も注目されるのはPTSDの治療です。患者さんの「恐怖体験」は言葉で表現し尽くせないものあり、Flash Backに伴う動悸・呼吸困難・発汗・四肢冷汗などの身体症状が全面に表出されます。このため、心身の安心・安全が保証された環境で、身体感覚へ優しく働きかけながら、記憶を想起し、認知の再構成をうながす技法が工夫されています。


精神疾患から回復した患者さんの感想によると、心理療法の効果は認知という意識可能な面のみならず、情動という無意識に近い面、そして身体感覚という精神・心理とは異にする面にまでおよぶことが明らかになっています。具体的には「身も心も軽くなる」という表現があるように、精神症状からの解放は身体感覚に表れるようです。

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