🧬 神経犯罪学(Neurocriminology)とは?
神経科学(脳の研究)+犯罪学・心理学の融合分野。
犯罪者と非犯罪者の脳の違いを分析して、
- 衝動性
- 攻撃性
- 共感性の欠如
- 計画性
などの神経的・生物的な特徴を明らかにする。
🧠 代表的な研究テーマ・キーワード
1. 【前頭前皮質の機能低下】
- 感情のコントロールや合理的判断を司る脳領域
- ここがうまく機能していないと、衝動的・反社会的な行動が増える
🔍 実際、多くの凶悪犯罪者でこの部位の活動低下が見られる
2. 【扁桃体の反応の鈍さ】
- 恐怖・不安・共感などの情動に関わる
- ここが鈍いと、他人の痛みに鈍感、罪悪感を感じない
📌 サイコパス傾向がある人の脳は、扁桃体の反応が著しく低いことがある
3. 【脳損傷と犯罪傾向】
- 脳腫瘍、事故、発達障害などで特定の脳領域が損傷すると、
- 突然攻撃的・暴力的になるケースも(→ 後天的サイコパス)
📍 例:アメリカの犯罪者フィニアス・ゲージ(前頭葉に鉄の棒が貫通→人格変化)
4. 【遺伝子×脳の反応】
- MAOA遺伝子(戦士遺伝子)の低活性型 + 幼少期の虐待
→ 扁桃体や前頭葉の働きが異常になりやすい(=攻撃的傾向↑)
✅ 「遺伝だけ」でも「環境だけ」でもなく、**“掛け算”**がリスクを上げる
🔍 研究で使われる主な技術
技術 | できること |
---|---|
fMRI(機能的MRI) | 脳の活動をリアルタイムで可視化 |
PETスキャン | 神経伝達物質や血流の観察 |
EEG(脳波) | 電気的活動の変化を分析 |
TMS(経頭蓋磁気刺激) | 特定の脳領域に影響を与え、行動変化を観察 |
🔥 神経犯罪学の衝撃的な発見例
💥 実例:ジェームズ・ファロン博士(脳科学者)
- 自分自身の脳を研究していたら、
→ 「典型的なサイコパスの脳パターン」を持っていたことを発見!
でも彼は犯罪者ではなく、成功した科学者で家庭人。
→ ここから、「脳の傾向は“潜在リスク”であって、“運命”ではない」と広く知られるようになった。
💡 応用:実際の犯罪捜査・司法での使い方
- 「この被告には責任能力があったのか?」を脳画像でサポート
- 再犯リスクの評価(冷酷さ、衝動性の神経反応を見る)
- 少年犯罪や発達障害のある受刑者のリハビリ・更生支援
⚠️ ただし:
脳画像を“そのまま証拠”にするのは、まだ倫理的にも科学的にも議論中。
⚖️ 倫理的な問題も
- 「脳に問題があるから罪は軽い」って言える?
- 「将来犯罪を犯す可能性がある脳」って、いつからマークすべき?
- 遺伝子や脳構造を使った“差別”が起きない?
だから今、神経犯罪学は科学と倫理のバランスを問われる最前線でもある。
🔚 まとめ:神経犯罪学は、こう捉えよう
❝犯罪は「悪いこと」だけど、
なぜその人は“そうするしかなかったのか”を、
脳レベルで理解しようとする試み。❞
そしてその理解が、
🔹 再犯を防ぐ
🔹 犯罪を予防する
🔹 間違った偏見をなくす
方向へ活かされているんだ。