当院へは「性依存」を主訴として受診される方々が多くいらっしゃいます。依存内容のほとんどが「盗撮」です。スマートフォンの普及による手軽さによるのでしょうか。いわゆる「窃視症」と診断される病状です。そこで今回は盗撮の心理を探りましょう。
性的満足;盗撮は性的欲求から行われます。加害者は、性的興奮を得るために他人のプライベートな映像を撮影するのです。この行為は、性的倒錯の一形態と見なされることもあります。
興奮の追求;禁止されていること、発見される危険の伴うことから、スリルや興奮を求める心理が働きます。これは、行為自体のタブー性から生じるもので、通常の行為ではない高揚感を感じられます。
力と支配;他人を監視、そのプライベートな瞬間を無許可でとらえることにより、加害者は一時的に他人を支配する感じます。この支配感は、日常生活で感じている無力感や劣等感を補うのです。
心理・社会的問題;心理的な問題を抱えているか、社会的スキルが欠如していることがあります。彼らは対人関係を築く能力に欠け、その代わり不適切な方法で人との関わりを持つのです。
依存症や強迫行為;一部では、依存症や強迫行為に発展し、繰り返し行うことで安堵を覚えるようになります。この場合、精神・神経疾患として、治療が不可欠となります。