708/849の83%の社会が一夫多妻(G.P. Murdock. 1967)
富の偏り、男性間の不平等による、農耕牧畜社会における現象…
狩猟採集社会において、富は偏らず、雇用関係も生じませんでした。
しかし、近代、民主主義の社会では、民法が誕生し、一夫一婦制が法定化しています。
ヒトの遺伝子・DNAは数万年前の狩猟採集時代より変わっていません。限られた食糧のもと、生き延びるため、認知・行動スタイルができあがりました。「種の保存」のため、男女は互いに下記を求めます。
男性 → 女性:年齢・容姿
女性 → 男性:地位・財産
恋愛の持続期限は12-18ヵ月、離婚は4年目に最多となります、恋愛感情を賦活する脳内のドーパミンが減衰するためでしょう、反対にセロトニンが活性し、「目が醒める」のかもしれません、子どもの養育に手がかかならなくなるのも、3-4歳だからという学説もあります、そして同じ相手と遺伝子の複製を行うより、違う相手と複製する方が多種多様な遺伝子を残せるからと考えられています・・・
しかし、近代民主主義の社会では、民法が誕生し、一夫一婦制が法定化しています。
「ドンファン・カサノバ症候群」
「ドンファン」は17世紀スペインに存在したという伝説上のプレイボーイの貴族で、貴族の娘さんを次々と誘惑したといいます。
「カサノバ」は18世紀に実在した作家で、女性遍歴は20世紀、数々の映画にもなりました。
「ドンファン」は理想の女性を追い求め、浮気はしなかったとのことです。
「カサノバ」は自伝「我が生涯の物語」にも記している通り、同時に不特定多数の女性と交際し、生涯1000人以上の女性と関係したと述べています。
「ドンファン」はとても高い理想を追い求める「自己愛性パーソナリティ障害」に相当するかもしれません。
「カサノバ」は他人の注目を浴びることで満足を覚える「演技性パーソナリティ障害」に相当するかもしれません。
「性的行動嗜癖」
1. 特定の性的行動を行いないたいという強迫的な欲求、とらわれ、ファンタジー
2. 特定の性的行動を行ってはいけないと、止めたいと分かっていても、抵抗できない、その行動が 否定的な結果(逮捕、解雇、離婚など)を招くとしても繰り返してしまう
3. 特定の性的行動の増加、多くの時間や労力を要する(物質依存の「耐性」)
4. 特定の性的行動は重大な心理・社会的問題を引き起こす
有病率3-10%、ほとんど男性、男性ホルモンの影響による
リスクアセスメント;青年(25歳未満)、親密なパートナーと同居歴なし、性犯罪以外の粗暴犯罪歴もあり、血縁のない被害者がいる、顔なじみのない被害者がいる
性犯罪(強姦・猥褻)
パラフィリア(痴漢・盗撮)
強迫的性行動(不特定多数、風俗、自慰)
境界性パーソナリティ障害
全般的な気分、対人関係、自己像の不安定さ、著しい衝動性のパターンで、成人期早期に始まり、種々の状況で明らかになる。境界性パーソナリティ障害の診断基準項目(比較的疾患特異的な精神症状)は9項目あり、そのうちの5が満たされると診断を考慮する。
- 実際のまたは想像上の見捨てられる体験を避けようとする懸命の努力。但し、5.の自殺、自傷行為を含めないこと。
- 過剰な理想化と過小評価との両極端を揺れ動く特徴をもつ不安定で激しい対人関係の様式。
- 同一性障害:著明で持続的な自己像や自己感覚の不安定さ。
- 衝動性によって自己を傷つける可能性のある領域の少なくとも2つにわたるもの。例えば、浪費、セックス、薬物常用、万引、無謀な運転、過食。但し、5.に示される自殺行為や自傷行為を含まない。
- 自殺の脅かし、そぶり、行動、または自傷行為の繰り返し。
- 著明な感情的反応性による感情的な不安定さ (例えば、一過性の強烈な気分変調性障害、焦燥感や不安、通常2-3時間続くが、2-3日以上続くことは稀)。
- 慢性的な空虚感、退屈。
- 不適切で激しい怒り、または怒りの制御ができないこと (例えば、しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、喧嘩を繰り返す)。
- 一過性の,ストレスに関連した妄想的念慮,もしくは重症の解離症状。
対人関係の障害(対人関係が不安定で自己同一性が不確定)
行動コントロールの障害(衝動的行動が多いこと)
感情コントロールの障害(感情不安定で怒りが強いこと)
の3種に分類されるという見解が示されている。
いわゆる「境界例」とは
20世紀初頭より「精神病」と「神経症」の中間に位置づけられる疾患群と認知されました。DSM-Ⅲ(1980年)より「統合失調型人格障害」と「境界性人格障害」へ分類されました。