生物学的・利用率 Bio-Availability とは摂取した薬物が全身を循環する割合。静脈注射の場合;100%。それ以外は、服用後、時間経過における血中濃度が絶対値となります。
経口の場合、口腔、胃壁、腸壁などから薬物が体循環血液に到達するまでには投与錠剤の溶解、吸収を経て血中に取り込まれて患部に到達します。腸壁から吸収された物質を含む血液は最初に肝臓で代謝され、これを初回通過効果といいます。
向精神薬はさらに、血液脳関門(BBB. Blood Brain Barrier)を経ます。これは、血液と脳・神経と組織液(髄液)との間にて薬物通過を制限しています。
臨床精神薬理学の観点では、静脈>舌下>筋肉・皮下>経口という生物学的・利用率となりますが、血中濃度の推移、摂取方法などから、Case by Case にて摂取する患者本人と十分相談の上、決定することになります。