恋愛依存症の生い立ち

2025.03.09

恋愛依存症の生い立ち

恋愛依存症（Love Addiction） とは、恋愛相手に過剰に執着し、自分の人生の中心が「相手との関係」に依存してしまう状態 を指します。
自分の価値を相手の愛情に委ね、常に「愛されたい」「見捨てられたくない」と感じるのが特徴です。

恋愛依存症の背景には、「遺伝的要因」 と 「環境的要因（特に幼少期の家庭環境）」 が深く関係しています。

1. 遺伝的要因（生まれつきの気質）

恋愛依存症には、生まれつきの脳の特性や遺伝的な要因 も影響していると考えられています。

ドーパミンの影響（脳の報酬系）
- 恋愛をすると脳内でドーパミン（快楽ホルモン）が分泌される。
- 「恋愛の刺激」に強く反応しやすい人は、依存しやすい。
オキシトシンの影響（愛着ホルモン）
- オキシトシンは、スキンシップや愛情によって分泌されるホルモン。
- 幼少期に十分な愛着が形成されなかった場合、「愛されたい」という欲求が過剰になり、依存しやすくなる。
不安を感じやすい気質
- 生まれつき**「不安を感じやすい性格」** の人は、恋愛での安心感を強く求める傾向がある。
- 「見捨てられ不安」 が強いと、相手に執着しやすくなる。

2. 環境的要因（幼少期の家庭環境）

恋愛依存症の多くは、幼少期の家庭環境や親との関係性 によって形成されることが多いです。

① 幼少期の愛情不足（見捨てられ不安）

幼少期に親の愛情を十分に受けられなかった（特に母親との愛着が不安定）。
「親に認めてもらえない」「親から無視される」といった経験があると、「愛されたい」欲求が強くなる。
→ 恋愛相手に愛情を求めすぎる傾向が生まれる。

② 過保護な育てられ方

幼少期に親が 「あなたなしでは生きていけない」 というような依存的な関係を築くと、子どもは「常に誰かと一緒でないと不安」と感じるようになる。
→ 1人でいることに耐えられず、恋愛に依存するようになる。

③ 過干渉な親（コントロールされた幼少期）

「勉強しなさい」「あれをしちゃダメ」「こうしなさい」と 親の期待通りに生きてきた子ども は、自分で判断する力が育ちにくい。
その結果、恋愛相手に依存し、相手の言うことに従うことで安心感を得ようとする。

④ 幼少期のトラウマ（虐待・家庭内不和）

幼少期に家庭内暴力（DV）、虐待、親の離婚 などを経験すると、「安定した愛情が得られないことへの恐怖」 を持つようになる。
→ 「誰かに愛されないと不安」になり、恋愛相手に執着するようになる。

3. 思春期・青年期の影響

① 早すぎる恋愛経験

幼少期に親からの愛情を十分に受けられなかった人は、思春期に恋愛で愛情を求めやすい。
「恋愛＝愛される手段」 という価値観が形成される。

② 失恋のトラウマ

「一度強く愛した人に捨てられた経験」 があると、「次こそは捨てられたくない」と過剰に恋愛に執着するようになる。
失恋の痛みを避けるために、「絶対に相手を逃さない」 という思考が強まる。

③ 依存的な恋愛関係

相手に尽くしすぎる、自己犠牲が強い タイプの人は、相手の反応が気になりすぎて「恋愛がすべて」になりやすい。
「相手がいないと自分には価値がない」と感じるようになる。

4. 恋愛依存症の生い立ちの典型的なパターン

パターン①：愛情不足と見捨てられ不安

幼少期に親の愛情を十分に受けられなかった。
「愛されないと不安」 という感情を持ち、恋愛でそれを埋めようとする。
→ 依存的な恋愛を繰り返す。

パターン②：過保護な親のもとで育つ

幼少期に親が過保護で、子どもが自立できなかった。
1人でいることに不安を感じ、恋愛相手に依存するようになる。
→ 相手がいないと生きていけない感覚になる。

パターン③：恋愛でしか自己肯定感を得られない

幼少期に褒められる経験が少なく、自分に自信がない。
恋愛相手に認められることで、自己価値を感じる。
→ 相手の態度に一喜一憂し、情緒が不安定になる。

パターン④：親の離婚やトラウマ

幼少期に親が離婚し、安定した家庭を経験できなかった。
「人はすぐに離れていくもの」という恐怖感を抱える。
→ 恋愛相手に「絶対に捨てないでほしい」と強く依存する。

5. まとめ

✅ 恋愛依存症は「ただ恋愛が好きなだけ」ではなく、幼少期の愛着形成に深く関係している。
✅ 「愛情不足」「過保護」「過干渉」「親の離婚・虐待」などが原因となりやすい。
✅ 「見捨てられ不安」が強く、恋愛相手に執着しやすい傾向がある。
✅ 自己肯定感が低いと、恋愛によって自分の価値を確認しようとする。