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精神医学

性加害の心理学

🚨 性加害の本質とは

まず押さえておきたいこと:

✅ 性加害は「性行為」ではなく「暴力」である。
✅ 性欲というより「権力・支配の表現」であることが多い。


🧠 性加害者の心理構造(主な特徴)

1. 支配欲・コントロール欲求

  • 「相手を思い通りにしたい」「拒否されても従わせたい」という力の誇示
  • 性行為を、相手への優位性を示す道具として使っている。

2. 共感力の欠如(または切断)

  • 被害者の恐怖・嫌悪・痛みを感じ取る力が極端に低い。
  • 自分の欲望しか見えない状態で行動する。

3. 自己正当化・歪んだ認知

  • 「嫌がってなかった」「相手も求めていた」など、現実を都合よく解釈する傾向。
  • 認知の歪み(cognitive distortion)が強い。
  • ※特に繰り返す加害者は、「これは悪いことではない」と本気で信じている場合すらある。

4. 権力と特権意識

  • 教師、上司、親、恋人など、立場の優位性を利用して行う加害が非常に多い。
  • 「自分は許される」「バレない」と思い込んでいる。

5. 過去のトラウマ・性被害の経験

  • 一部の加害者は、過去に自分も被害を受けた経験を持ち、その傷を「加害によって再演」するケースも。
  • ※ただし「被害者だったから加害者になる」という短絡的な図式は間違い。ほとんどの被害者は加害者にならない。

🔁 性加害のサイクル

  1. 欲望 or 欲求不満の蓄積(ストレス、怒り、孤独など)
  2. 歪んだ思考で自己正当化
  3. 機会の発見(孤立した相手、逃げられない状況)
  4. 実行(性的暴力)
  5. 一時的な満足、または罪悪感 → 再度ストレス → 繰り返し

📚 関連する心理学的理論

理論名概要
加害的ナルシシズム自己価値の維持のために他者を踏み台にする思考パターン。拒否されることに極端に過敏。
認知行動理論誤った思考(例:「相手も望んでいた」)が暴力行動を導く。
トラウマ理論過去の被害体験を意識的・無意識的に「加害」へと転換する場合がある。
社会学的要因性役割・ジェンダー観・ポルノ文化などの影響によって、歪んだ性意識が助長される。

🧨 よくある誤解

誤解真実
性欲を抑えられなかっただけ→ 多くは計画的。服装・関係性・場所を選んでいる。
お酒のせいで理性が飛んだ→ 酒はトリガーになりうるが、責任逃れにはならない
好意があったから→ 好意と同意はまったく別物。
ノリだった→ 「ノリ」は支配の言い換え。相手が怖くて抵抗できないこともある。

🛠 性加害者に対する介入・更生プログラム(少しだけ)

  • 認知行動療法(CBT):認知の歪みを修正
  • 感情制御トレーニング:怒り・支配衝動をコントロール
  • 共感トレーニング:被害者の視点を想像する力を養う
  • 加害責任の自覚:言い訳や自己正当化の否定

ただし、更生には深い動機と継続的な支援が必要
被害者の安全が最優先であることは絶対に揺るがない。


✍️ 最後に

性加害は、加害者の「性」だけでなく、パワー・暴力・人間関係の歪みの問題。
加害者の内面を知ることは、被害を防ぐ対策にもつながります。

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