🏫 少年院・矯正施設における現実:なぜマニュアルが必要か?
📊 実態として:
- 発達障害(特にADHD・ASD)の特性を持つ少年の割合は全体の2〜3割前後とも言われる
- ただし、自覚がない・診断歴がないケースも多い
- トラブルの原因が「反抗」ではなく「特性による誤解」であることも少なくない
→ だから現場では、教育より先に“誤解を減らす仕組み”が必要なんだ。
📘 少年院での「発達障害対応マニュアル」概要(日本法務省)
日本の法務省矯正局は、少年院・刑務所職員向けに以下のような対応指針を発表している:
✅ 1. 【早期のアセスメント(特性把握)】
- 入所時の面談で「特性に気づく」ための簡易チェックリストを使用
- 必要に応じて精神科医・臨床心理士による診断や検査を依頼
🧠(例:WAIS(知能検査)、AQ(自閉傾向チェック)、ADHD尺度など)
✅ 2. 【個別対応の必要性を評価】
- 「注意されても理解できない」
- 「独り言・こだわり行動が多い」
- 「人間関係トラブルが多発」
などがある場合、個別支援計画(IEP的なもの)を立てる。
✅ 3. 【指導の工夫:発達障害特化プログラム】
- 一斉指導ではなく「個別/小集団型」を基本
- 口頭よりも「視覚支援・ワークシート中心」
- 感情を整理するための「感情カード」「行動記録表」を使う
📍感情と行動のつながりを“見える化”して気づきを促す
✅ 4. 【コミュニケーション支援】
- 指導員は「叱責より確認」「繰り返し+具体化」
- 指示はシンプルに:
→ ×「しっかりやりなさい」
→ ○「今日の3つのやることは、①掃除、②日誌、③読書です」 - 「場面の見通し」を伝える(スケジュール表、今日の予定)
✅ 5. 【問題行動への対応も“構造化”】
- 突発的な暴言・暴力があった場合: → 即罰ではなく、「何が引き金になったか」を振り返るワーク
- 「反省文が書けない」場合: → イラスト形式の“行動プロセス整理シート”で代用
📚 実例:日本で導入されている発達障害対応プログラム
施設 | 内容 |
---|---|
東日本少年院 | 発達障害特性のある少年に特化した小グループ指導を実施。SST+感情理解+進路支援 |
医療少年院(全国5か所) | 精神科医常駐。ASDやADHDに対応した専門的処遇(薬物療法+心理療法)を提供 |
特別矯正教育プログラム | 「反省」よりも「自己理解」+「トラブル回避スキル」の習得を重視 |
🌍 海外との比較(ちょっとだけ)
国 | 特徴 |
---|---|
🇬🇧 イギリス | “Neurodiversity in Prison”政策が進行中。発達障害者用のリソースセンター常設 |
🇺🇸 アメリカ | 州によって差はあるが、ADHD受刑者に薬物療法とSST併用プログラム導入中 |
🎯 現場の課題もある…
- 職員が全員「発達障害に詳しい」わけではない(=研修強化が必要)
- 見た目が「普通」なため、誤解されやすい
- そもそも入所前に特性が発見されていないケースが多い
✅ だからこそ重要:「矯正=罰」から「矯正=再スタート」へ
発達障害がある少年にとって、
少年院や矯正施設が「もう終わり」ではなく、
「ちゃんと自分を理解して再スタートできる場所」になることが理想。
💬 まとめ
❝少年院での“発達障害対応マニュアル”は、
その子の“悪さ”を正すのではなく、
“困りごと”に気づいて、一緒にどう対処するかを学ぶためのもの。❞