
神経症と精神病の境界に位置する
極度に不安定な感情・行動、対人関係、自己像を特徴とする
男性:女性=1:2
うつ病とアルコール依存症の家族歴が高い
いつも危険の瀬戸際にいる
ある時は落ち込み、ある時は訴え、ある時は何でもないと言う
短期間の精神病を生ずる
反復的に自己破壊行為を示す
対人関係は依存と敵対を揺れ動く
しかし、孤独に耐えられず、男女構わず接近し、性行為にも至る
慢性的な空虚感、退屈感、そして価値観の欠如を訴える(同一性拡散)

診断基準、DSM-5、一部改変
対人関係、自己像、情動などの不安定性、および著しい衝動性
以下のうち5つ以上により示される
現実・想像にて見捨てられることを避ける、なりふり構わない努力
理想化とこき下ろしの両極端を揺れ動く、不安定で激しい対人関係
同一性の混乱、顕著で持続的に不安定な自己像・自己意識
自己を傷つける可能性のある衝動性、例;過食、浪費、性行為、物質乱用、無謀な運転など
自殺企図、自傷行為の繰り返し
気分反応性による情緒不安定、2-3時間継続、2-3日間持続しない
慢性的な空虚感
不適切で激しい怒り、怒りの制御困難、例;かんしゃく、喧嘩
一過性の妄想様観念、解離症状

弁証法的行動療法
認知行動の変容
日常生活の改善

症例
B子の問題も家族・生育歴から認められた、母はうつ病に罹患しており、B子が幼い頃から寝ていることが多かった、このためB子は母より深い愛情を受けた記憶に乏しい、父は仕事に忙しく家にいなかった
B子は10代前半より抑うつ状態となり、中学は不登校、高校は通信制へ進学した、17歳頃より心療内科・精神科を複数受診した、高校卒業後、定職につくことはなく、アルバイトや水商売に従事した
20代より水商売の影響もあり、アルコール依存乱用しはじめた、スロットにもハマり、収入はアルコールとギャンブルに費やした
慢性的な空虚感・孤独感にさいなまれ、複数の男性と交際した、交際期間は長く続かなかった、依存心が強すぎて、男性が耐えられなくなると、関心を引くため自傷行為に及んだ、その悪循環が繰り返された
30代となり、自分と向き合わなければならないかと感じている