目的
医学
人間の健康を維持・向上させ、病気や障害を予防・診断・治療することです。医師・医療者は、患者さんの予防・診断・治療を通じ、人々の健康に対処し、生活の質・QOL.Quolity of Lifeの向上を目指します。
法学
社会の秩序を維持し、公正を実現するための規則や制度を研究し、それに基づき法を適用することです。法学者は、法の解釈・適用・改正・立法・改善などを通じ、正義の実現と個人の権利の保護を目指します。
方法
医学
科学的な方法論に基づきます。観察・実験・分析などを通じ、病気や障害の原因を解明し、それに対する治療を開発します。解剖学・生理学・生化学・薬理学・病理学などの基礎医学から、内科学・外科学・産婦人科学・小児科学・精神医学などの臨床医学まで、幅広い分野があります。
法学
法律文書(憲法、法律、判例、条例など)の解釈と適用が中心です。論理的な考察、判例の解釈、法的原則の適用を通じ、特定の事例に対する法的な解決を導きます。法学は法社会学、法哲学、比較法などの異なる視点から法の役割や影響を研究します。
適用
医学
人間の心と体と健康に直接関わります。個々の患者さんに対する予防・診断・治療、また公衆衛生、医療倫理なども含みます。後者においては地域社会や健康政策にまで視野は広がります。
法学
社会の規範や制度に関わります。法は政府・企業・市民すべての社会を構成する人々に適用され、社会の秩序を維持するため適用されます。法学の適用範囲は、刑法、民法、憲法、行政法、国際法など、広範囲にわたります。
倫理
医学
患者さんの利益を第一に考える「ヒポクラテスの誓い」に象徴されるよう患者の健康と福祉を守ることが重要です。医療者は、患者さんの自律性を尊重し、患者さんへ最良の治療を提供し、医療の安全性・有効性を確保する倫理規定に従います。
法学
法律の公正な適用、個人の権利の保護、社会的な正義の実現に重点を置きます。裁判官・検事・弁護士など法律家は、法律の公正な適用、個人の権利の保護、社会の規範の維持に関する倫理規定に従います。
社会
医学
病気や障害に対する予防と治療を提供することにより、個人のみならず、社会全体の福祉を向上させます。
法学
社会の規則や規範を確立し、社会秩序を維持します。法律家や裁判官は、法を通じて社会の公正を確保し、法の支配を守ります。
結論
医学と法学はどちらも社会において重要な役割を果たしますが、その目的や方法、適用、倫理は大きく異なります。医学は人々の健康・福祉を守ることを、法学は社会の規則・秩序を維持することを目指します。それぞれ異なる視点から社会に貢献し、相互に補完します。
下記の動画は、精神医学と法学の葛藤を描いた話題作です・・・
死刑裁判の現場〜ある検事と死刑囚の44年(ETV特集)