
再燃・再発を予防する
「再燃」とは、「寛解」したものの再び病状が「増悪」うつ状態を呈する時に用います。
「再発」とは、「治癒」した後に用いられます。主に急性・炎症疾患が対象となります。
抑うつ状態を「繰り返す」患者さんは再発の危険が高いため、抗うつ薬を1-3 年間継続した再発予防が立証されています。
再発例は「双極性障害」の可能性が高いので要注意です。
抗うつ薬を中止時「離脱症状」に要注意、緩徐に漸減することが原則です。
漸減中に抑うつ症状の悪化した際、減薬前の量に戻します。

病気を正しく理解して受容する
1. 「否認」
大きな「衝撃」を受け「否認」する段階。「仮にそうだとしても、自分は助かるのではないか」といった部分的否認の形をとる場合もあります。
2. 「怒り」
なぜ自分がこんな目に遭うのかのかという「怒り」を周囲に向ける段階。
3. 「取引」
回復への「取引」の段階。「神(絶対的な存在)」にすがろうとする時もあります。
4. 「抑うつ」
取引が無駄と認識し、運命に無力を感じ「抑うつ」に襲われる段階。全てに絶望を感じ、段階的に「部分的悲嘆」のプロセスへと移行します。
5. 「受容」
「部分的悲嘆」と並行、疾病「受容」する段階。最終的に「受容」しますが、希望も捨てきれない場合もあります。受容の後半、突然すべてを悟った「解脱」の境地が現れます。希望ともきっぱりと別れを告げ、「疾患受容」に至ります。
しかし、自分の病気に対して「偏見(スティグマ)」を抱いたり、自分は社会的偏見を受ける存在であるという否定的な感情を抱くこともあります。これを「セルフ・スティグマ」といいます。
これを克服するには、病気を正しく理解、受容し、適切な対処(コーピング)を身に付けることです。

自分で行う再燃・再発予防
規則正しい生活を送る:早寝早起き、朝型の生活習慣
サーカディアンリズム(概日リズム)を守る、日照時間に合わせ活動する、日の出・日の入り確認。
喫煙・飲酒をしない
煙草はもとより、酒は睡眠を浅くします、躁うつ気質の方は依存症になりやすいです。
夜間にパソコン・スマートフォンを使用しない
ブルーライト・前頭葉への刺激を減らし、むしろ音楽や香りに癒されましょう。
過食・過眠をしない
向精神薬の副作用、うつ状態の療養中に陥りやすい症状です。意識して食事・睡眠を節制しましょう。それには、睡眠覚醒リズム、生活行動記録など、自分の活動を記録してみることをお勧めします。
ひきこもらない
軽症のうちは敢えて人に会いお話しましょう。すると、思いのほか自分の考えが偏っていることに気づき、気分も晴れるものです。

自分で行う再燃・再発予防
心身の健康に留意しましょう
体の健康にも留意しましょう、特に生活習慣病は自分の心がけ次第です。
和食を中心とした、低脂肪・高蛋白食を心がけましょう
青魚(ω3脂肪酸)、大豆、野菜を多く摂りましょう、糖質は低GI食を心がけましょう。
低Glycemic Index食品とは、血糖値の上がりにくい食品:食物繊維、精製されていない穀物。
プロテインの過剰摂取は腎機能障害を生じます⚠
無理ない程度に運動しましょう
目標:1万歩/日ですが、年齢・性別・体重・疾患などにより異なります。
アプリなどを用い、毎日、体重・体脂肪率・骨密度、摂取/消費カロリーなど記録しましょう。
他者奉仕・社会貢献しましょう
自分が病気で苦しんだ体験を現在、病気で苦しんでいる患者さんのために役立てましょう!
それにはまず、自分の体験を無理ない程度に語ることです。
他人を助けることは自分を助けるになります。