対処が困難な際に抱く、漠然とした恐れの感情、「恐怖fear」に比べ、対象が不明瞭。
仏語では「精神的な不安 anxiete」と「身体的な苦悶 angoisse」を使い分けます。
生きている限り避け難い「老病死」への恐れは「正常な不安」。
政治・経済・宗教など諸々の問題に対し「現不安、現実不安」。
「病的な不安」とは、刺激が主体の内部で歪曲・肥大するため、客観的危険に比べ、不相応に強く反復します。
「神経症的な防衛機制」を生ずるため「神経症的不安」とも呼びます。
「全般性不安」とは、認知機能低下・自律神経症状を前景とする慢性の不安。
「パニック発作」は、切迫・破局感、激しい自律神経症状を伴う急性の不安。
「戦慄 trema」とは、統合失調症の初期に「妄想気分」と併せて生ずる不安。