私たちの生活からストレスは切り離せないものですが、少しでも軽減することにより、心身とも楽に生活することができます。こころの不調予防のためにも、自分に合った「ストレス・コーピング Stress Coping」をいくつか用意しておくと安心ですね ❣
「ストレス Stress」とは
日常生活には多くの「ストレス Stress」が隠れています。些細なことがストレス因になったり、ストレス反応として表れたりします。ストレス因やストレス反応は、個人により傾向が異なりますので、過去の生活や人生を振り返り、ストレスを特定することにより、再発予防につながります。さらに「ライフ・イベント Life Event」の「デイリー・ハッスル Daily Hassle」と呼ばれる、日常生活の興奮やいら立ちなどの、心身へ及ぼす影響が大きいとも言われています…
ストレッサ―の種類・具体例
内的；心理的ストレッサ―・対人関係、退職、結婚などのライフイベント
生理的ストレッサ―・不眠、疲労、病気、怪我
外的；物理的ストレッサ―・気温、騒音、湿度
社会的ストレッサ―・食事、酒、喫煙
ストレス反応
心理面の反応；情緒の変化：不安、焦り、抑うつ
認知機能の変化：注意・集中力、記憶力、判断力などの低下
身体面の反応；動悸、発汗、呼吸苦、嘔吐、下痢、めまい、ふるえなど
行動面の反応；忍耐力低下、衝動的・攻撃的な行動の出現、流涙、過食・拒食など
ストレス・コーピング
ストレスによる影響と付き合うための方法はひとつではありません。ストレスを予防するためにはいろいろな角度から、生活や考えを振り返ってみることも大切です💡
1. ストレス・マネジメント＝ストレスを小さくする生活姿勢
日頃の考え方や生活習慣（例えば、食生活や睡眠など）を整え生活を保つこと
2. ストレス・コーピング＝認知や行動の工夫といった具体的対処
認知や生活習慣の修正、また具体的なコーピングを生活に取り入れること
3. 精神症状への治療=薬物・精神療法などの治療
反対に、危険なコーピングである「希望的・観測」「自責」「回避」「攻撃」は避けましょう…
自分に合ったコーピングを探しましょう
自分の性格やライフスタイルにより、適切なコーピングは異なります、自分にぴったりなコーピング法を探してみましょう👓
身体にストレスを感じる時
・リラクゼーション（弛緩訓練）
手、目、肩などストレスの影響を感じやすいところに対して行います。筋肉を弛緩させることにより、脈拍や血圧、呼吸を安定させ、不安や緊張をコントロールしたり、落ち着きを取り戻す方法
・自律訓練法
公式に沿って、全身の弛緩訓練を行う方法
・イメージ・リラックス・トレーニング
リラクゼーションを深めるため、イメージを用いる方法
感情や行動のコントロールが難しいと感じる時
・5秒間トレーニング
5秒間の感情のピークをやり過ごすための方法を用意する方法
・一点集中法
過去のことが思い出されて気持ちが揺らぐときに有効、目の前のこと1つだけに集中する方法
・呼吸法
6秒吐き、4秒吸う呼吸を繰り返し深呼吸から感情を静める方法
認知（考え方・とらえ方）が柔軟でないと感じる時
・認知行動療法
不適応を起こす背景にある、自分自身の認知や考え方のクセを修正することにより、行動や感情を適切な方向へ修正する方法
・問題解決法
問題解決に向けてストレス場面の状況分析を行い、その状況にどう取り組むか（目標）、そのための具体的な手立て（方法）を考えて書き出す方法
参考資料
大野 裕；こころが晴れるノート：うつと不安の認知行動療法自習帳．創元社．2003
中野敬子；ストレス・マネジメント入門（第２版）．金剛出版．2016
