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精神医学

ジェフリー・ダーマー

🧩 基本プロフィール

項目内容
生年月日1960年5月21日 – 1994年11月28日(獄中で殺害)
犯行期間1978年~1991年(約13年間)
犯罪内容少年・若年男性17人を殺害/遺体損壊/性的暴行/カニバリズム
通称ミルウォーキーの食人鬼(Milwaukee Cannibal)

🧠 ジェフリー・ダーマーの精神医学的分析


■ 1. ネクロフィリア(死体性愛)

  • 遺体と性的関係を持つ、または遺体を所有し続けようとする傾向
  • 被害者を殺害後、遺体を保存・ポーズをとらせる・体の一部を収集
  • 「生きている人は拒絶するから、死体なら自分から離れない」と語る

➡️ 孤独・拒絶体験の裏返しとしての支配・所有欲


■ 2. 境界性パーソナリティ障害的傾向(BPD的)

  • 強烈な見捨てられ不安:「愛されたい」「ずっとそばにいてほしい」
  • 自己同一性の不安定さ(性的指向、自分の存在意義)
  • 衝動的な行動(アルコール依存・性依存)
  • 強い孤独感 → 殺人・保存という極端な行動へ

➡️ 他人との健全な愛着関係が築けず、極端な手段で人間関係を“保存”しようとする


■ 3. 性的逸脱・パラフィリア(性的倒錯)

種類ダーマーに見られる傾向
ネクロフィリア死体との性的接触
カニバリズム被害者の一部を食べる(「完全に取り込む」)
サディズム的傾向昏睡させて身体を支配する
ゾンビ願望被害者を“生ける人形”にするために脳に穴を開けて薬を注入

➡️ 性的欲求と「永続的な所有」が結びついた極端な性的倒錯


■ 4. 精神鑑定・裁判での扱い

  • 弁護側:統合失調症、パラノイド型精神障害を主張
  • 検察側:パーソナリティ障害と性的倒錯はあるが、責任能力あり

➡️ **「精神的に異常だが、善悪の判断は可能」**という見解 → 有罪+終身刑(死刑制度のない州)


■ 5. 自己認識と罪悪感

  • 他のシリアルキラーと異なり、反省や罪悪感を示す場面が多い
  • キリスト教に改宗し、「自分は悪魔に取り憑かれていた」と語る
  • 獄中で聖書を読み、洗礼を受け、最後は「罰を受け入れる」と語った

➡️ 完全なサイコパスではなく、罪の意識と内面の葛藤を抱えたケース


🧠 精神医学的キーワードまとめ

キーワード説明
ネクロフィリア遺体に対する性的興奮・執着
境界性パーソナリティ障害(傾向)感情不安定、見捨てられ不安、孤独
パラフィリア常軌を逸した性欲の対象・行動(死体・食人など)
支配と所有の願望他者を“完全に”自分のものにしたいという動機
感情残存性良心・罪悪感を完全に喪失していない点が特徴的

🎥 関連作品

  • Netflixドラマ:『DAHMER – モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語』
     → 精神病理・家庭環境・警察の怠慢など、社会背景まで描写
  • ドキュメンタリー:『Conversations with a Killer: The Jeffrey Dahmer Tapes』
     → 本人の声による証言で精神世界がより明確に見える

📌 ダーマーの精神像まとめ

「人間として愛されたい」――けれどもその手段を知らず、死と性に逃げ込んだ男。

  • 彼の犯罪は、単なる「快楽殺人」ではなく、病的な孤独感・恐怖・依存に根差していた
  • 一方で、理性的な判断ができたこと、犯行を偽装しようとしたことから「責任能力あり」とされた
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