「認知」とは、精神医学おいて「知能」に類似した意味であり、心理学では「知覚」を中心とした概念です。一般的には、注意・集中・記憶力、言語・思考力、問題解決・意思決定力といった様々なな要素が含まれ、これらを包括し「認知」と呼ばれるようになりました。
「認知」とは、広辞苑によると、1.物事をはっきりと知ること、2.生物が対象の知識を得るために、外部の情報を能動的に収集し、それを近く・記憶し、さらに推理・判断を加えて処理する過程、と定義されています。「認知科学」における「認知」とは2.の定義に基づくものです。
「認知特性」とは、視覚・聴覚などの感覚器から入力された情報を、記憶したり理解したり表現したりする能力のことで、注意・集中・記憶力や洞察力など多岐の能力について関わりがあります。
人間は、視覚優位・聴覚優位、言語優位・体性感覚誘因など、個人により得手・不得手があります。情報のInput から Output まで、脳内における情報処理には個人差があるのです。
神経認知障害(NCD; Neuro-Cognitive Disorders / DSM)
神経認知障害においては、複雑性注意、実行機能、学習と記憶、言語、知覚ー運動、社会的認知 の6領域に分類されています。
複雑性注意 | 持続性注意、分配性注意、選択制注意、処理速度 |
実行機能 | 計画性、意思決定、ワーキングメモリー、フィードバック/エラーの訂正応答、習慣無視/抑制、心的柔軟性 |
学習と記憶 | 即時記憶、近時記憶(自由再生、手がかり再生、再認記憶を含む)、長期記憶(意味記憶、自伝的記憶)、潜在学習 |
言語 | 表修正言語(胡椒、喚語、流暢性、分包、および構文を含む)と受容性言語 |
知覚-運動 | 視知覚、視覚構成、知覚-運動、実行、認知を含む |
社会的認知 | 情動認知と心の理論 |