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精神医学

「病気」「異常」「障害」とは

「病気」とは

「病む」とは、身体的・精神的・社会的に、どこか不健康であるというサインです。人々はこのサインを受け止め、日常生活を修正し、適切な治療を受ければ、早期に回復し「今まで以上に健康」な日常生活を手に入れることができます。

「病む」という体験は、これまでの身体的・精神的・社会的生活を振り返り、己の生き方、価値観、時間の使い方などを振り返って見直す機会となります(セルフケア不足看護理論)。

「病む」ことは、これまでと異なる「新しい人生」「自己成長」へのきっかけとなるのです。

「友とするにわろき者、七つあり。一つには、高くやんごとなき人。二つには、若き人。三つには、病なく身強き人。四つには、酒を好む人。五つには、猛く勇める兵。六つには、虚言する人。七つには、欲深き人」「よき友三つあり、一つには物くるゝ友、二つにはくすし、三つには知恵ある友」(徒然草)

「病気」「健康」とは

「未病」(伝統中国医学、中医)とは、明らかな症状も無く、検査でも明らかな異常がないけれど、少し調子の悪い状態、病気になる前段階、心身の微妙な変化を表しています。

「東洋医学」は医食同源、心身一如、自然治癒に基づき、生活習慣の改善を推奨しています。これにより「未病」は「病気」に至らずに済みます。

「健康とは、生きる目的ではなく、毎日の生活のための資源である」
“Health is, therefore, seen as a resource for everyday life, not the objective of living”
Ottawa Charter for Health Promotion (1986)”

「健康とは、身体的・精神的・霊的・社会的に、完全に良好な動的状態であり、  単純に病気あるいは虚弱でないことではない」
“Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being
and not merely the absence of disease or infirmity (1999 WHO)”

「正常」「異常」とは

「正常」「普通」「一般」「通常」「平凡」「凡庸」
「異常」「特別」「特殊」「特異」「奇異」

「出る杭は打たれる」「能有る鷹は爪を隠す」
「大賢は愚なるが如し」「深い川は静かに流れる」

Intelligence Quotient, IQ は、同年齢の集団内における位置を基準とした標準得点としての「偏差知能指数(Deviation IQ, DIQ, 偏差値知能指数)」です。
中央値100標準偏差15前後と定義されます。平均値100、85–115:約68%の人が収まり、70–130:約95%の人が収まります。
「正規分布」といい、データが平均値の付近に集積するような分布を表します。70以下130以上が異常値とされます。

IQ の高さは必ずしも「天才(創造性など)」と結びつきません。
IQ のみ高い方は「秀才」と呼びます。

「天才」「狂気」とは

「天才」とは、天性の才能、生まれつき備わった優れた才能、生まれつき優れた才能を備わった人物。努力では至らないレベルの才能を秘めた人物。
「天才とは1%の霊感(ないし閃き)と99%の努力」(エジソン)
「天才は狂気だ」(ロンブーソ、犯罪精神医学者)
「狂気」とは、常軌を逸脱した精神状態。

「創造とは、人が異質な情報群を組み合わせ統合して問題を解決し、社会あるいは個人レベルで、新しい価値を生むこと」(高橋誠/日本創造学会・元会長・元理事長)

認知的脱抑制:脳内における情報のフィルター機能の低下

「障害」とは

「障害」は目標の達成や進行の妨害となること。

「障碍(しょうげ)」は仏教用語。「修行」の妨げとなる煩悩障、業障、生障、法障、所知障など。例えば「煩悩障」は、貪り、瞋り、癡かなど自身の煩悩が信心修行の妨げとなること。

「障害」は、1950年「身体障害者福祉法」「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」において「障害者」が用いられ、それまでの「不具者(ふぐしゃ)」「癈疾者(はいしつしゃ)」という用語から代ったことにより、差別・偏見など生じてきたようです。

“mental disorder(精神障害)”はICD/WHOによる定義、“disease”の方が重篤な感あり。
“sickness(軽い病気)”“illness(病気)”“disease(体内の異常により生命に関わる疾病)”

精神障害の分類

外因性(体因性・身体因性);脳・神経や身体疾患に明らかな原因を認める
内因性;明らかな原因なく生ずる、神経伝達物質による「精神病;統合失調症・躁うつ病」
心因性;不安や葛藤など心理的な誘因から生じる、いわゆる「神経症」「不安障害」

身体疾患は、いつ誰に生じてもそれ程の違いない「普遍性」が認められます。
精神疾患は、その方の人生においていつ生じたのかという「個別性」が大きく加わります。

このため、精神医療においては、「実証」EBM. Evidence Based Medicine のみならず、
「語り」NBM. Narrative Based Medicine が重要視されているのです。

DSM. Diagnostic Statistical Manual (APA. American Psychiatric Association)
ICD. International Classification of Disease (WHO. World Health Organization)

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