「心気症」とは身体の些細な不調に必要以上にこだわる症状です。頭痛・めまい・吐気・肩こり・背部・腰痛・手足の痺れ、動悸・呼吸困難、胃痛・吐気、腹痛・下痢など、症状は全身・各部位におよびます。内科、耳鼻科、整形外科など受診しても、特に器質的異常（身体的異常）なく、心因性・ストレス性ではないかと、心療内科を勧められ、受診する方が大勢です。確かに詳細をうかがうと、家族・仕事はじめ身辺に問題を抱えていらっしゃる方が多いけれど、その問題を十分認識していないため、「身体化」という形で表出されているようです。
心因性・ストレス性の疾患はご本人がその誘因・原因を十分認識していないと、上記のような「身体化」もしくは「行動化」として表出されることが多く、本人または周囲の方々が困ってしまいます。このため、治療法としては、心因・ストレスを特定し、現実的な解決、認知（物事のとらえ方）の修正を図ることが求められます。不安うつ症状が強い時には、適切な薬物療法も効果的です。特に認知や行動の修正を図る（いわゆる認知行動療法、カウンセリング）を行うにも、SSRIなどの抗不安うつ効果のあるお薬を服用していると、より効果的と考えられています。心あたりある方は臆することなく、ご自身の気持ちと向き合い、心因・ストレスを特定し、効果的な対処法を検討しましょう。
