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パーソナリティ症群および関連特性 (6D1)

「境界性パーソナリティ障害」とは


不安定な自己、他者のイメージ、感情・思考の制御不全、衝動的な自己破壊行為などを特徴とする障害です。英語の “Borderline” の和訳であるが、旧来の「境界例」(すなわち、神経症と精神病との境界例)とは異なる疾患疑念あります。思春期・青年期に生じ、成人期に至ると軽減します。いわば、脳と心の成長の病です。不安や抑うつのような精神症状のみならず、自傷行為、自殺企図、薬物乱用など「行動化」を生じやすい。治療は、薬物療法のみならず、精神療法・心理療法および、周囲の人々の協力(環境調整)を不可欠とする。


対人関係の障害(対人関係が不安定で自己同一性が不確定)
② 行動コントロールの障害(衝動的行動が多いこと)
③ 感情コントロールの障害(感情不安定で怒りが強いこと)

の3種に分類されるという見解が示されている。

境界性パーソナリティ障害の診断基準項目(比較的疾患特異的な精神症状)は9項目あり、そのうちの5が満たされると診断を考慮します。

① 実際のまたは想像上の見捨てられる体験を避けようとする懸命の努力。ただし、5.の自殺、自傷行為を含めないこと。
② 過剰な理想化と過小評価との両極端を揺れ動く特徴をもつ不安定で激しい対人関係の様式。
同一性障害:著明で持続的な自己像や自己感覚の不安定さ。
衝動性によって自己を傷つける可能性のある領域の少なくとも2つにわたるもの(例えば、浪費、セックス、薬物常用、万引、無謀な運転、過食。但し、5.に示される自殺行為や自傷行為を含まない)。
自殺の脅かし、そぶり、行動、または自傷行為の繰り返し。
⑥ 著明な感情的反応性による感情的な不安定さ (例えば、一過性の強烈な気分変調性障害、焦燥感や不安、通常2-3時間続くが、2-3日以上続くことは稀)。
慢性的な空虚感、退屈。
不適切で激しい怒り、または怒りの制御ができないこと (例えば、しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、喧嘩を繰り返す)。
⑨ 一過性の,ストレスに関連した妄想的念慮,もしくは重症の解離症状。

「17歳のカルテ」原題:Girl, Interrupted、1999年のアメリカ合衆国の伝記青春映画。2000年に日本公開された。原作は1994年に出版されたスザンナ・ケイセンによる自伝。日本語訳は「思春期病棟の少女たち」吉田利子訳/草思社/1994。
ある日突然、薬物大量服用による自殺未遂を起こして精神科病院に収容されたスザンナ(ウィノナ・ライダー)。パーソナリティ障害という自覚が無く、その環境に馴染めなかったスザンナだが、病棟のボス的存在であるリサ(アンジェリーナ・ジョリー)の、精神疾患である事を誇るかのような態度に魅かれていく内に、精神科病院が自分の居場所と感じるようになっていく。
しかし退院した患者の近親姦を喝破してその患者を自殺に追い込むというリサの行動から、徐々に彼女の行動に疑問を持つようになって行く。だがその事でリサに疎んじられ、他の患者も全員リサに同調して彼女は孤立する。
やがてリサや他の患者との全面対決に至るが、その出来事によってスザンナは「リサはここ(精神科病院)でしか生きられないからこれだけ強気な行動に出られるのだ」と気づき、自分は社会復帰を目指さなくてはならないと決意し、退院したところで映画は幕を閉じる。

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