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精神医学

「依存症」について

「依存症」とは「快楽」を生じる物質の摂取や行為の反復などの結果、これらを求める耐え難い欲求を生じ、これらを追い求め、これらがないと不快感を生じる状態と定義されます。

1.物質依存:アルコール、ニコチン、薬物など
2.行為依存:ギャンブル、セックス、買物など
3.関係依存:ある人物に必要とされること

これまでは「アルコール」や「薬物」などの「物質」がすぐ連想されましたが、最近は様々な「依存症」が問題視されています。ギャンブル、セックス、買物などの「行為(プロセス)」、ある人物に必要とされる「人間関係」なども含まれます。

心理学的症状 異常な執着、否認、衝動性、行為の強化
生物学的症状 依存・耐性、離脱症状

心理学的・生物学的に依存および離脱症状を生じ、それなくしては仕事や生活に支障を生ずるようになります。この水準により「依存症」と診断し、治療を要することになります。

依存症は「脳と心の病気」であり「Dopamine Signals の過活性」および「前頭葉の機能低下」およびと考えられています。「快」を求めるのは自然なことですが、「病気」となると「抑制」が効かず、止めどなく「快」を求めます。その結果、薬物や行為を異常な程に求める訳です。そこで、治療としては“Dopamine”を抑制する薬物を求めるか、「前頭前野」の働きを高める訓練を行うことになります。前者の薬物が “SDA. Serotonin-Dopamine Antagonist, 後者が「認知行動療法 CBT. Cognitive-Behavioral Therapy」をはじめとした精神療法・心理療法になります。

しかし、回復は「一筋縄」では進みません。「七転び八起き」と言っても過言ではないでしょう。本人もさることながら、家族や周囲の人々も困っている方々が少ないものですから、「環境調整」など「社会療法」も欠かせません。そして、医療機関のみで回復には至らず、いわゆる「自助グループ」へ参加することが不可欠です。どうしてか「自助グループ」への参加を拒まれる方が少なくなく、「画竜点睛を欠く」状態で足踏みされています。ご本人曰く、自分はそれ程、重症ではないと思っていらっしゃるようで、参加されることで重症化するのではないかという誤解を抱いている場合もあるようです。依存症に特有とされるある種の「否認」と考えられます。

依存症に限らず、あらゆる精神疾患の回復に必要な過程に疾患の「受容」がございます。すなわち「その方の置かれた状況に対し、変化や抵抗をせず、その過程や状況を理解するよう努めること、その多くは否定的で不快な状況である」と言われています。



さらに、自助グループのはじまりであり、世界中で最も普及していると言われている “AA. Acoholics Anonymous”における回復の第一条は「私たちはアルコールに対して無力(powerless)であることを自覚した(admitted)-自分自身の生活がコントロール不能(unmanageable)である」と明言されています。これは「アメリカ心理学会 American Psychological Association:APA」も公認しており、普遍的な事実と言ってもよいでしょう。

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