ヤング・ケアラー Young Carer
病気や障害を伴う両親・同胞の看病や介護に忙殺され、本来受けるべき愛情や教育を受けられなかったり、同世代との人間関係を構築できなかった子どもたちのこと。本来大人がになうケア・責任を引き受け、家族の世話全般(家事や看病、サポートなど)を行っている18歳未満の子どもを指します。
過度なケアが長期間、継続すると、心身に不調をきたしたり、遅刻や欠席が多くなったりして、学校生活へ影響をおよぼします。進学・就職・結婚を断念するなど子どもの将来を左右してしまう事例もあります。
公的サポートの対象とされるヤングケアラーは、イギリスで18歳未満、オーストラリアで25歳までとされています。日本では、法律上の定義は存在せず、研究者の定義から18歳未満の子どもとされるのが一般ですが、「一般社団法人日本ケアラー連盟」は、これに加え、18歳から30歳代までのケアラーを「若者ケアラー」と定義しています。
毎日新聞社が2020年、総務省2017年・就業構造基本調査を独自に分析したところ、家族などの介護をになっている15-19歳の若者は、2017年、推計3万7千人、約8割が通学し、週4日以上、勉強と介護を両立させていると明らかになりました。15歳未満のヤングケアラーはこの分析には含まれておらず、実態はさらに多いと考えられています。