「ステロイド」とは「ステロイド核」と称する骨格構造をもつ有機化合物の総称。動植物で生合成され、コレステロール、胆汁、ビタミンD、ステロイドホルモン等がその代表例。
ステロイド核をもつホルモンを「ステロイド・ホルモン」と呼称。副腎、精巣、卵巣など内分泌器官より分泌。特に、脳で合成されるステロイドは「ニューロ・ステロイド」と呼称。
ステロイドホルモンは脂溶性かつ低分子にて、細胞膜や血液脳関門を容易に通過できます。また細胞質に存在する受容体に結合、核内にて標的遺伝子の転写活性を調節します。
近年、このような核受容体による遺伝子発現を介した「ゲノミック作用」に加え、膜受容体を介した遺伝子発現を伴わない「ノンゲノミック作用」が注目されています。
「ステロイド・ホルモン」は「コレステロール」より合成される。コレステロールはコレステロール側鎖切断酵素(P450scc)にて側鎖が切断され、プレグネノロンとなる。この過程はステロイド・ホルモン分泌器官・共通プロセスである。
副腎で「糖質・鉱質コルチコイド」、精巣で「テストステロン」、卵巣で「エスラジオール」が生成される。
「アナボリック・ステロイド」は、外界より摂取した物質から蛋白質を作り出す作用、すなわち蛋白同化作用を有するホルモンの総称、多くは男性ホルモン。
「テストステロン」のような「天然アンドロゲン」と類似した「合成アンドロゲン」が含まれます。
「アナボリック」の語源は「構築」を意味するギリシャ語 “Anabolein” 一般に「ステロイド」と呼ばれますが、糖質コルチコイド「ステロイド」(副腎皮質ホルモン)と異なります。
「アナボリック・ステロイド」は、筋肉増強剤として使用され「ドーピング」として有名ですね。短期間で劇的な筋肉増強を実現するとともに、通常では得ることのできない水準の筋肉成長をうながします。このため、プロ運動選手らの間で長年、依存・乱用されてきました。
しかし、下記・副作用のため、中長期的に死亡例も少なくありません・・・
肝障害、肝臓癌、前立腺癌、高脂血症、糖尿病、高血圧症、多血症、心筋梗塞、睡眠時無呼吸症候群、性機能低下症、免疫異常、尋常性ざ瘡、痛風、嗄声、そして躁鬱、幻覚・妄想など等。