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気分症群 (6A6-6A8)

軽い躁うつ病とは


躁うつ病の躁状態とは、気分が高揚し、意欲も亢進する「病気」です。楽しそうで幸せかと思われるかもしれませんが、度が過ぎると周りが困ってしまいます。落ち着きが無く、口数多く、怒りっぽくなります。あれこれ手を出し、金遣い荒く、異性をよく誘惑します。このため家族をはじめ周囲の人々に迷惑をかけます。本人は「病識」のないことが多く、気がついても、気分が良いため、あまり気に留めないことがほとんどです。むしろ躁状態の「元気一杯な時の自分こそが本当の自分である」と誤解することがほとんどです。

厚生労働省、日本医師会、日本精神神経学会はじめ諸機関により、うつ病・うつ状態は大分、啓発してきましたが、躁うつ病・躁状態についてはまだまだ理解が得られていないようです。このため、内科でも安易に抗うつ薬が処方され、薬剤性の躁状態が生じてしまうことがあります。軽い躁状態ならばよいのですが、不機嫌になったり、攻撃的になったりする「混合状態」または“Mixed depression”(大うつ病の症状があり、かつ軽躁症状が2-3個以上ある)のような状態を呈すると周囲も苦慮します。

さらにSSRIによる“Activation syndrome”と呼ばれる易刺激的な状態やベンゾジアゼピン系抗不安薬による脱抑制が生じますと、ますます混乱を深めます。このような時は速やかに抗うつ薬や抗不安薬を中止し、リチウムをはじめとした気分安定薬や抗精神病薬などへ切り替えるべきですが、精神科の専門医でないとそこまでの判断はできません。つきましては、うつ病のみならず、躁うつ病の啓発も行われ、精神科医との医療連携が発展することを期待する次第です。

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