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精神医学

躁うつ混合状態

躁うつ混合状態(Mixed State / Mixed Features)とは?

躁うつ混合状態(Mixed State / Mixed Features)とは、躁(ハイな状態)と鬱(落ち込む状態)が同時または急激に切り替わる状態です。
これは双極性障害(躁うつ病)で見られる症状の一つで、気分が高揚しているのに、同時に不安や絶望感があるといった特徴を持ちます。

通常、双極性障害では躁状態(エネルギーが高く、楽観的)うつ状態(エネルギーが低く、悲観的)が交互に現れますが、混合状態ではそれが同時に存在するため、精神的に非常に苦しい状態になります。


1. 躁うつ混合状態の特徴

✅ ① 躁と鬱の症状が同時に現れる

  • 躁の特徴 → 活動的、衝動的、怒りっぽい
  • 鬱の特徴 → 絶望感、不安、自己否定

➡ これが同時に存在するため、心が大きく揺れ動く

✅ ② 感情が極端に不安定

  • 「エネルギーがあるのに気分は最悪」
  • 「何かをやりたいのに、同時に絶望している」
  • 「急にハイになったり、すぐ落ち込んだりする」

感情の急変が激しく、制御が難しい

✅ ③ 衝動的な行動が増える

  • 例:突然の買い物、暴言、衝動的な自傷行為、危険な行動
  • 「何かをしなければならない!」という衝動があるが、うまくいかずに絶望する

リスクの高い行動を取ることが多く、自殺リスクが上昇


2. 躁うつ混合状態の主な症状

カテゴリー躁の特徴(エネルギーが高い)鬱の特徴(気分が落ち込む)
気分怒りっぽい・焦燥感悲観的・絶望感
活動衝動的・落ち着かない何もしたくない・倦怠感
思考アイデアが次々に出る「何をやっても無意味」と感じる
睡眠眠れない・数時間睡眠で元気寝すぎる・疲労感が抜けない
自殺リスク衝動的な行動で自殺リスクが高まる深刻な絶望感からの自殺願望

➡ 特に、「エネルギーがあるのに絶望している」ため、衝動的な自殺行動が起こりやすく、危険な状態になりやすい。


3. 躁うつ混合状態の種類

✅ ① 軽躁+うつ(軽躁混合状態)

  • エネルギーが高く、行動的なのに悲観的
  • 例:「色々やりたいのに、全部意味がない気がする」

✅ ② 躁+うつ(典型的な混合状態)

  • 極端な焦燥感と怒り、同時に絶望感
  • 例:「すべてをぶち壊したいが、もう何もかも終わっている気がする」

✅ ③ 混合うつ(うつ優位の混合状態)

  • 鬱症状が強いが、内側では強い焦燥感や怒りを抱えている
  • 例:「体が動かないのに、心はイライラしている」

いずれのタイプでも、衝動的な行動が増え、リスクが高まる


4. 躁うつ混合状態の原因

✅ ① 双極性障害(特に双極I型)

  • 躁とうつが交互に現れるため、その移行中に混合状態が生じる

✅ ② ストレスや環境要因

  • 過度なストレスや生活の変化がトリガーとなり、症状が悪化
  • 例:「仕事のプレッシャー」「人間関係のトラブル」

✅ ③ 睡眠不足や生活リズムの乱れ

  • 睡眠の乱れが症状を引き起こすことが多い
  • 例:「徹夜が続くと、突然ハイになり、次の日に絶望する」

✅ ④ 抗うつ薬の影響

  • 抗うつ薬が躁状態を誘発し、混合状態を引き起こすことがある
  • 特にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が躁転のリスクを高める

5. 躁うつ混合状態の治療と対処法

✅ ① 薬物療法(適切な薬の調整)

  • 気分安定薬(リチウム、バルプロ酸など) → 感情の波を抑える
  • 抗精神病薬(クエチアピン、アリピプラゾールなど) → 衝動性を抑える
  • 抗うつ薬は慎重に使用(単独使用は危険)

医師と相談しながら適切な薬の組み合わせを決める


✅ ② 睡眠と生活リズムの安定

  • 決まった時間に寝る・起きる
  • スマホ・カフェイン・夜更かしを避ける
  • 日光を浴びる・規則正しい生活を心がける

睡眠が安定すると、躁うつ混合状態の発生が減る


✅ ③ ストレス管理

  • 過度なストレスを避ける(仕事や人間関係の調整)
  • 適度な運動(ウォーキング・ヨガ)
  • 瞑想やマインドフルネスでリラックス

ストレスが溜まると、混合状態が悪化しやすい


✅ ④ 認知行動療法(CBT)

  • 「感情の波に巻き込まれない」トレーニング
  • 「衝動的な行動を防ぐ」思考パターンの修正
  • 「白黒思考」をやめ、柔軟な考え方を身につける

心理療法を取り入れると、混合状態のコントロールがしやすくなる


✅ ⑤ サポートを受ける

  • 家族や友人に状況を理解してもらう
  • 医師やカウンセラーと定期的に話す
  • 「一人で抱え込まない」ことが重要

周囲の理解があると、衝動的な行動を防ぐことができる


6. まとめ

躁うつ混合状態とは、躁とうつの症状が同時に現れる状態
「エネルギーが高いのに絶望している」という危険な状態になる
衝動的な行動が増え、自殺リスクが高まるため、早期の対応が必要
治療には、気分安定薬・生活リズムの安定・ストレス管理が重要
「一人で抱え込まず、サポートを受けること」が回復のカギ

躁うつ混合状態は非常に苦しい状態ですが、適切な治療とサポートを受けることで、コントロールすることが可能です!

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    3. ✅ ③ 衝動的な行動が増える
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  • 3. 躁うつ混合状態の種類
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    2. ✅ ② 躁+うつ(典型的な混合状態)
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  • 4. 躁うつ混合状態の原因
    1. ✅ ① 双極性障害(特に双極I型)
    2. ✅ ② ストレスや環境要因
    3. ✅ ③ 睡眠不足や生活リズムの乱れ
    4. ✅ ④ 抗うつ薬の影響
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    1. ✅ ① 薬物療法(適切な薬の調整)
    2. ✅ ② 睡眠と生活リズムの安定
    3. ✅ ③ ストレス管理
    4. ✅ ④ 認知行動療法(CBT)
    5. ✅ ⑤ サポートを受ける
  • 6. まとめ
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