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精神医学

自閉症と性依存

自閉症(ASD)と性依存の関係

自閉スペクトラム症(ASD)と性依存には、一定の相関関係があることが研究で指摘されています。ASDの特性によって、性に関する行動が過剰になったり、特定のパターンに固執したりすることがあります。

性依存(性嗜癖、コンパルシブ・セクシュアル・ビヘイビア障害, CSBD)は、性的な行動や思考を自分でコントロールできず、日常生活に支障をきたす状態を指します。ASDの人は、衝動のコントロールが難しい・こだわりが強い・社会的関係の困難さがある ため、性依存に陥るリスクが高いと考えられています。


1. 自閉症(ASD)と性依存の関連性

✅ ① こだわりの強さ(特定の性的嗜好への固執)

  • ASDの人は、特定の物事に強くこだわる傾向がある
    特定の性的興奮対象や行動に執着しやすい
  • ポルノ・マスターベーション・特定のフェチ(例:特定の服装、シチュエーション)に強くこだわる
  • 性的な空想を繰り返し、他のことに集中できなくなる

✅ ② 社会的スキルの困難(対人関係のストレス)

  • ASDの人は恋愛や対人関係が難しく、パートナーを見つけるのが苦手
  • その結果、リアルな関係ではなく、ポルノ・風俗・オンラインの性的活動に依存しやすい
  • 恋愛や性的関係の境界線を理解しづらく、強い性的関心を持つが、現実の関係を築くのが難しい

✅ ③ 衝動コントロールの問題

  • 一部のASDの人は、ADHDを併発していることが多く、衝動性が高い
  • 「やめたいのにやめられない」 という行動パターンが見られる
    • 例:ポルノ視聴の時間が長くなり、日常生活に影響が出る
    • 例:オナニーの回数が増え、仕事や勉強に集中できない

✅ ④ 感覚の違い(過敏・鈍麻)

  • 感覚過敏 → 「性的な刺激を強く感じやすい」
  • 感覚鈍麻 → 「より強い刺激を求める」
    • ASDの人は感覚の処理が独特なため、性的な快感を強く感じる人もいれば、逆に刺激を求めすぎる人もいる

✅ ⑤ ストレス対処の困難

  • ASDの人は、ストレスや不安に対処するのが苦手
  • 「性行為やマスターベーションをするとリラックスできる」というパターンができると、依存しやすい
  • 特に、現実世界での対人関係のストレスをポルノやオナニーで解消するケースが多い

2. ASDの性依存に見られる特徴

特徴具体例
特定のフェチへの強いこだわり「ある特定の服装・シチュエーションでないと興奮できない」
ポルノやオナニーへの過剰な依存「仕事や学校よりも、性的なコンテンツを見ることを優先する」
実際の性的関係の回避「リアルな恋愛は難しいが、ポルノやアダルトチャットに没頭する」
社会的な適切な距離感がつかみにくい「相手が不快に思っているのに、性的な話題を続けてしまう」
やめようと思ってもやめられない「何時間もポルノを見続ける」「オナニーの頻度が多すぎて日常生活に支障が出る」

3. ASDの性依存のリスク

ASDの人が性依存に陥ると、以下のような問題が生じやすくなります。

✅ ① 日常生活の崩壊

  • ポルノ視聴やマスターベーションの時間が長くなり、仕事や勉強に支障が出る
  • 夜更かしが増え、睡眠不足になる
  • 外出が減り、社会との接触が減る

✅ ② 人間関係の悪化

  • 性的な話題にこだわりすぎて、周囲から距離を置かれる
  • 恋愛や結婚が難しくなる
  • SNSやオンラインの性的なやり取りにのめり込み、リアルな関係を築けなくなる

✅ ③ 法的リスク

  • 未成年との性的なやりとり(SNS、チャットなど)
  • 盗撮・露出などの問題行動(ASDの人は「どこまでが許されるのか?」の判断が苦手)

4. ASDの性依存の対処法

✅ ① 「性依存のループ」に気づく

  • 「ストレスを感じる」→「ポルノ・オナニーで解消」→「さらに強い刺激を求める」→「後悔する」
    このループがある場合、「自分はこのパターンにハマっている」と意識することが重要。

✅ ② セルフコントロールを身につける

  • 「ポルノを見る時間を決める」「オナニーの回数を減らす」などのルールを作る
  • 「性的な衝動を感じたら、まず深呼吸する」「別のことをする」

✅ ③ 別の快楽を見つける

  • 運動(ランニング・筋トレ)でドーパミンを増やす
  • 趣味を持つ(ゲーム・読書・創作活動など)
  • 性的な刺激以外で、満足感を得る方法を探す

✅ ④ カウンセリング・専門治療を受ける

  • 認知行動療法(CBT)で「性的衝動のコントロール」を学ぶ
  • マインドフルネス(瞑想)で「今この瞬間」に集中する
  • 必要なら薬物療法(抗うつ薬、SSRI)で衝動を抑える

✅ ⑤ 「リアルな対人関係」を育む

  • ASDの人は「人との関係の築き方」を学ぶことで、性依存のリスクを減らせる
  • 恋愛やパートナーシップについて、カウンセリングや専門家のアドバイスを受ける
  • 「リアルなコミュニケーション」の経験を増やす

5. まとめ

ASDの人は「こだわりの強さ」「社会的スキルの困難」「衝動コントロールの弱さ」から性依存に陥りやすい
ポルノやオナニー、特定のフェチに強く執着しやすい
「性依存のループ」にハマると、日常生活・人間関係に影響が出る
セルフコントロール、ストレス管理、カウンセリングで対処が可能
「リアルな対人関係」を育てることで、性依存のリスクを減らせる

ASDの特性を理解し、適切なサポートを受けることで、健康的な性のあり方を築くことができる!

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    2. ✅ ② 社会的スキルの困難(対人関係のストレス)
    3. ✅ ③ 衝動コントロールの問題
    4. ✅ ④ 感覚の違い(過敏・鈍麻)
    5. ✅ ⑤ ストレス対処の困難
  • 2. ASDの性依存に見られる特徴
  • 3. ASDの性依存のリスク
    1. ✅ ① 日常生活の崩壊
    2. ✅ ② 人間関係の悪化
    3. ✅ ③ 法的リスク
  • 4. ASDの性依存の対処法
    1. ✅ ① 「性依存のループ」に気づく
    2. ✅ ② セルフコントロールを身につける
    3. ✅ ③ 別の快楽を見つける
    4. ✅ ④ カウンセリング・専門治療を受ける
    5. ✅ ⑤ 「リアルな対人関係」を育む
  • 5. まとめ
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