気分変調症(Dysthymia、持続性抑うつ障害)は、長期間(少なくとも2年間)続く慢性的な抑うつ気分が特徴の精神疾患です。うつ病ほど重症ではありませんが、持続的で生活の質に大きな影響を与えます。
主な症状
- 抑うつ気分(多くの日、ほとんどの時間)
- 食欲の変化(過食または食欲不振)
- 睡眠障害(不眠または過眠)
- エネルギーの低下、疲労感
- 自尊心の低下
- 集中力の低下、決断困難
- 希望の喪失、悲観的な思考
原因
- 遺伝的要因:家族に気分障害の歴史がある場合、発症リスクが高まる
- 脳内神経伝達物質の異常:セロトニンやドーパミンのバランスの乱れ
- ストレスフルな出来事:トラウマや人間関係の問題、慢性的なストレス
- 性格傾向:完璧主義や自己批判の強い性格
診断
DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)に基づき、2年以上抑うつ気分が続き、その他の症状が少なくとも2つ以上ある場合に診断されます。
治療法
- 薬物療法:抗うつ薬(SSRI、SNRIなど)がよく用いられる
- 心理療法(カウンセリング):認知行動療法(CBT)が効果的
- ライフスタイルの改善:睡眠、食事、運動の管理、ストレス軽減
気分変調症とうつ病の違い
項目 | 気分変調症(持続性抑うつ障害) | うつ病(大うつ病性障害) |
---|---|---|
期間 | 2年以上持続的 | 2週間以上持続 |
症状の強さ | 軽度から中等度 | 中等度から重度 |
特徴 | 慢性的で長期的 | 短期間で急激に悪化することが多い |