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東京・銀座の心療内科・精神科・メンタルクリニック

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精神医学

待つ心理

「待つ」ことは一般的につらいものです。5分、10分、20分と経つにつれイライラしてくるものです。都会では3-5分おきに電車が往来し、1-2分の遅延に際しおわびのアナウンスがなされます。医療機関はかつて3時間待ち・3分診療と揶揄されましたが、最近は予約システムの導入により改善されています。それでも他のサービス期間より待ち時間は長く、批判は絶えません。待ち時間の心理について10の法則が認められています。以下、当院の事情を照らし合わせ検証してみましょう。


1. 何もしないで過ごす待ち時間は長く感じる
最近はスマホやノートパソコンを持ち込み作業している方々がほとんどですが、何も持ち合わせていらっしゃらないと手持ち無沙汰になってしまいます。何か考えごとをしたい、瞑想にふけりたいという方はごく少数ですから、何もしないでいると待ち時間は長く感じられます。そこで、待合室にはメモ用紙を用意し、診察までこころの準備として現在困っていること悩んでいることを書き出していただいております。


2. 本来のサービスの前後に付随する待ち時間は長く感じる
本来のサービス=診療の前後、待ち時間、会計の時間、さらに処方薬を受け取る時間などが相当します。これらを省略するため、オンライン診療という行為が発案されました。ただ、風邪や美容くらいならば許されても、精神医療となりますと、扱う内容も薬も厳重になりますため、厚生労働省はごく限られた形でしか許可しておりません。市販薬がドラッグストアで購入できるようになり、依存・乱用が問題とされているなか、難しい問題です。


3. 不安があると待ち時間を長く感じる
精神科・心療内科を受診される方々は皆さん不安うつ状態にあると言っても過言ではないでしょう。「寛解」されていらっしゃり、普段安定されていても、待ち時間というストレスかかると不安・焦燥を覚えるものです。

4. 不確定な待ち時間は長く感じる
自分がいつ呼ばれるのか分からない「あとどのくらい」「何番目」それらの分からない不確定な状態で待ち時間は長く感じます。当院ではおおよその予約時間を提示、受付順序の提示により、不確定を確定へ近づけております。


5. 理由の分からない待ち時間は長く感じる
まれに大幅な遅延を生ずることがあります。どなたかの診療が予想外に長引く、救急や警察の介入を要する事態が起きた時などです。このような時、待合室にも不穏な空気が漂います。受付より「諸事情により遅延を生じています」とのみ説明を行います。個人情報のため詳細は申し上げられません。救急や警察の方々が院内へ入って来られると、ただならぬことが起きていると分かって下さるようです。


6. 不平等な待ち時間は長く感じる
予約の順序と受付の順序とでお呼び出しが異なり、患者さんが激怒されることがあります。たいてい「こだわり」の強い方で、ある時間ある順序に呼ばれることにこだわっていらっしゃるようです。予約と受付とどちらを優先するかは難しく、都度都度、柔軟に対応しております。予約より早く来られる方もいらっしゃれば、遅くいらっしゃることもあります。予約時間にこだわる方もいらっしゃれば、こだわらない方もいらっしゃいます。


7. サービスの価値が高いと思えば、待ち時間を長く感じない
保険診療のため価格の変動はありません。最近は初診の予約を取れる取れないという点から、多少の価値を生じているでしょうか。それと関東各地より遠路お越しいただいていることに申し訳なく思いつつ、それなりのサービスを提供しなければならないという使命感も覚えます。銀座にある他の飲食・服飾店は大変効果ながら、それ相応の高いサービスを提供されています。それをお手本にし「銀座」という「品格」に合った医療サービスを提供してまいる所存です。


8. 独りで待つ時は待ち時間を長く感じる
待合室には独りで待つ方と夫婦や恋人同士で待つ方といらっしゃいます。当然ながら独りで待つ方は心細く、今か今かと待ちわびていらっしゃいます。話し相手は受付と担当医しかいないわけですから。孤独はメンタルヘルスの大敵です。不安うつ状態の要因であり、身体疾患のリスク因子としても明らかになっています。当院では本人のみならず、親子、兄弟・姉妹、友人・知人など同伴受診を歓迎しております。


9. 不快な待ち時間や苦痛な待ち時間は長く感じる
待合室の環境は重要です。当然ながら冷暖房、アロマ、冷水機、キャンディーなどそろえ、狭い空間ですが、少しでもくつろげるよう工夫しております。BGMではヒーリングミュージック、映像ではこころ暖まるストーリーを流しております。たまに、ソファにて居眠りされている方も見受けられ、長くお待たせしたことを申し訳なく思いつつ、待合室でリラックスできていらっしゃるのかと思うところもございます。最近はFree- WiFiもあり、忙しなくスマホを片手に操作する若い方々が目立ちます。こちらからWiFiを提供おりますが、時に静かに目を閉じ、Mindfulness 瞑想にふけるのも良いかと存じます。


10. 不慣れな場所での待ち時間は長く感じる。
初診の方は落ち着かないものです。はじめは何をすればいいのか、次はどうすればいいのか分かりません。受付に問い合わせること頻回ということもあります。事前に問診票を書いていらっしゃる方もいれば、到着してから書かれる方もいて、それにより待ち時間は異なります。その有無により時間の都合から心理検査を行えるかどうかも決まります。このため初診はお互い不慣れということから、待ち時間は長く感じられますし、滑らかに進まないものです。それを前提にして、少しずつ慣れていき、治療関係を築いてまいるのです。

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