嗜好 Preference. Habit > 依存 Addiction. Dendence > 依存症 Dependency
依存症とは
「精神作用物質の摂取や、ある種の快楽を伴う行為を繰り返し行った結果、その刺激を求める『耐え難い欲求』を生じ、その刺激を求める行為が優勢となり、その刺激がないと『不快な精神・身体症状』を生じる、精神・身体・行動の症状」 WHO改変
「低い自己肯定感、自信喪失、人間不信、見捨てられ不安、孤独感・孤立感など不全感から、辛い気持をまぎらわすための行為」 斎藤改変
「『心理的な苦痛』が依存症の中心問題であり、物質や行動が癒しをもたらすため、それらに頼らざるを得ない『自己治療仮説』」 松本改変
「『孤独感や無力感』による『生きづらさ』から、『人間不信』に陥っている時に生じやすい、そして他者との『親密性』を回避し、物質や行為に依存することで感情制御する、いわゆる『孤独の病』」 小林改変
脳内報酬系;Dopamine 神経回路
中脳;腹側被蓋野(VTA. Ventral Tegmental Area)活性化
腹側被蓋野→側坐核
報酬を得た誘因となる行動が強化される
腹側被蓋野→前頭前野
行動とβ- Endorphin(脳内麻薬)の放出が記憶される
脳内にてDopamineを放出する細胞からなる神経回路、運動、動機づけ、他者からの承認欲求などに関わる、しかし、依存症は依存物質・行動のの多幸感・陶酔感を忘れられず、依存物質の摂取、依存行動の反復を生じてしまう
L-Phenylalanine → L-Tyrosine → L-Dopa → Dopamine → Nor-Adrenaline → Adrenaline
「物質依存」とは、依存物質を心身に重大な障害を引き起こすほど使用して、物質へ依存・耐性・離脱などの
問題が生じている精神疾患である。物質は「違法薬物」のみでなく「アルコール・タバコ」さらに
「カフェイン・炭水化物」などの飲食物、更に「医薬品(特に向精神薬)」も含まれています.
Amphetamine
1887年、ルーマニアの化学者ラザル・エデレアーヌが、ベルリン大学で初めて合成。
ノルアドレナリン・ドーパミンの放出促進と再取り込み阻害による(セロトニンに作用しない)中枢神経刺激作用。戦中は軍隊にて、戦後は芸術家が用いたと言いいます。
しかし、強い依存・耐性および幻覚・妄想、興奮を生ずる可能性あり。日本は1951年、覚醒剤取締法にて禁止薬物と認定。
Methaamphetamine
1888年、日本の薬学者・長井長義が合成、1893年、発表。1919年、緒方章が結晶化に成功。
Amphetamineの窒素原子上にメチル基が置換した構造の有機化合物。Amphetamineよりも中枢神経刺激作用は強く、やはり戦前より軍隊、戦闘機の操縦士(特に終戦直前の特攻隊員)が服用させられ、戦後は商品名「ヒロポン」にて乱用され、中毒者が数多く生じました。
現在も治療薬として残っているが、実質上、処方禁止。
未治療率:約80%(WHO)、日本国内では啓発活動ほとんどなし、酒税との利益相反?
2021年酒課税見込11760億円(財務省)2012年Alcohol社会的損失4兆1483億円(厚労省)
習慣飲酒→酒量増加→依存耐性→“Black Out”(飲酒前後の健忘)→高脂血症・肝機能障害
→肝硬変→食道静脈瘤の破裂/または肝臓癌・膵臓癌の発病/アルコール性精神病・認知症…
“Black Out”病的酩酊の時点で少なくとも「断酒」すべきですが、たいてい「否認」されます。
問題はAlcoholまたは飲み方であり、自分自身ではないという「責任回避」の心理でしょう。
自分の健康は自己責任かもしれませんが、仕事や家庭は他者を巻き込むため、最終的に
「底を突く」か「酒を止める」かの二者択一となります。
喫煙者の約7割がNicotine依存症(約4割が無自覚)その過半数は将来、肺癌になる可能性が高いと自覚していますが、Nicotineの強い依存性ゆえ、禁煙に失敗しているそうです。心臓虚血発作を起こした医師さえ困難で、その半数しか禁煙できなかった記録があります。
2021年たばこ課税見込9120億円(財務省)
1985-2005年喫煙・経済損失4兆3300億円(厚労省)
- ある行動(多くは非適応的、非建設的な行動)を行わずにはおれない抑えがたい衝動
- その行動を開始・終了するまで、他の事柄は目に入らず、自らの衝動をコントロールできない
- その行動のため、それに代わる(適応的、建設的)楽しみを無視するようになり、当該行動に関わる時間、当該行動からの回復(行動をやめること)に時間がかかる
- 明らかに有害な結果が生じているにもかかわらず、その行動を続ける
- 気がつくと思っていたより、長い時間インターネットをしていることがありますか?
- インターネットをする時間を増やすために、家庭での仕事や役割をおろそかにすることがありますか?
- 配偶者や友人と過ごすよりも、インターネットを選ぶことがありますか?
- インターネットで新しい仲間を作ることがありますか?
- インターネットをしている時間が長いと周りの人から文句を言われたことがありますか?
- インターネットをしている時間が長くて、学校の成績や学業に支障をきたすことがありますか?
- 他にやらなければならないことがあっても、まず先に電子メールをチェックすることがありますか?
- インターネットのために、仕事の能率や成果が下がったことがありますか?
- 人にインターネットで何をしているのか聞かれたとき防御的になったり、隠そうとしたことがどれくらいありますか?
- 日々の生活の心配事から心をそらすためにインターネットで心を静めることがありますか?
- 次にインターネットをするときのことを考えている自分に気がつくことがありますか?
- インターネットの無い生活は、退屈でむなしく、つまらないものだろうと恐ろしく思うことがありますか?
- インターネットをしている最中に誰かに邪魔をされると、いらいらしたり、怒ったり、大声を出したりすることがありますか?
- 睡眠時間をけずって、深夜までインターネットをすることがありますか?
- インターネットをしていないときでもインターネットのことばかり考えていたり、インターネットをしているところを空想したりすることがありますか?
- インターネットをしているとき「あと数分だけ」と言っている自分に気がつくことがありますか
- インターネットをする時間を減らそうとしても、できないことがありますか?
- インターネットをしていた時間の長さを隠そうとすることがありますか?誰かと外出するより、インターネットを選ぶことがありますか?
- 誰かと外出するより、インターネットを選ぶことがありますか?
- インターネットをしていないと憂うつになったり、いらいらしたりしても、再開すると嫌な気持ちが消えてしまうことがありますか?
全くない(1点) まれにある(2点) ときどきある(3点) よくある(4点) いつもある(5点)
【20~39点】平均的なオンライン・ユーザー 【40~69点】インターネットによる問題あり
【70~100点】インターネットが生活に重大な問題をもたらしているため、すぐ治療を受けましょう
- どのくらいの頻度で、失っても本当に大丈夫な金額以上のお金を賭けましたか?
- どのくらいの頻度で、同じだけの興奮を得るため、それまでより多くの金額を賭けましたか?
- どのくらいの頻度で、負けた金額を取り返そうと、別の日に戻りましたか?
- どのくらいの頻度で、お金を得るために借金をしたり物を売ったりしたりしましたか?
- どのくらいの頻度で、自分が問題を抱えているかもしれないと感じましたか?
- どのくらいの頻度で、あたながそうだと思うかにかかわらず、周囲の人々があたながギャンブルをすることを批判したり、あなたが問題を抱えていると言ってきたりしましたか?
- どのくらいの頻度で、自分のやり方や結果として起こることに関し、悪いとか申し訳ないとか感じましたか?
- どのくらいの頻度で、健康問題を引き起こしましたか?これにはストレスや不安なども含みます。
- どのくらいの頻度で、家庭の金銭問題を生じましたか?
全くない0点 時々1点 たいてい2点 いつも3点
【1~2】低リスク 【3~7】中リスク 【8~】ギャンブル問題
- 特定の性的行動を行いないたいという強迫的な欲求、とらわれ、ファンタジー
- 特定の性的行動を行ってはいけないと、止めたいと分かっていても、抵抗できない、その行動が否定的な結果(逮捕、解雇、離婚など)を招くとしても繰り返してしまう
- 特定の性的行動の増加、多くの時間や労力を要する(物質依存の「耐性」)
- 特定の性的行動は重大な心理・社会的問題を引き起こす
有病率3-10%、ほとんど男性、男性ホルモンの影響による
リスクアセスメント
・青年(25歳未満)
・親密なパートナーと同居歴なし
・性犯罪以外の粗暴犯罪歴もあり
・血縁のない被害者がいる
・顔なじみのない被害者がいる
「共依存とは、特定他者の言動に左右され、『自分は相手の言動を制御しなければならない』という観念にとらわれていること」具体的な行動として、他者支配、境界欠如(Lack of Boundary )、自己中心性、自己喪失、低い自己肯定感、否認などが認められます。
心理的要因として、幼少期より依存症者との間で、自己犠牲的に奉仕してきたことが挙げられます、それは一見、献身的、社会的な行為のように受け取られますが、実は、背景に他者支配が少なからず認められ、自己中心性も認められるのです。
共依存症者の多くは「機能不全家族」で育った過去を持っています、様々な要因から養育者より必要十分な関心や愛情を受けられなかったため、不安・不信・孤独・孤立などの感情をぬぐえません、そのため思春期以降、低い自己肯定感を代償するため、他者へ過剰に献身的な言動を行ったり、集団や組織に過剰に適応したりという不安定な行動が見受けられます。
共依存から回復するためには、他者ではなく、自分自身に関心を向け(内省・内観)、生い立ちを振り返り、「あるがまま」の自分・人生を受け容れることです、そのためには、個人・集団心理療法が有効です。
□ 自分を犠牲にし、相手を助けたり、世話をしたりする。
□ 相手の行動・認知・感情、状態・結果などを変えようとコントロール(支配)する。
□ 問題・危険を生じている人間関係に巻き込まれることが多い。
□ 依存心が強く、一人でやっていく自信なく、見捨てられ不安を覚えやすい。
□ ある特定の人物のことで頭が一杯になる。
□ 自分の問題は大したことはないと思ったり、嫌なことは見て見ぬ振りをしたり、表面上は何でもないかのように振る舞う。
□ 相手とのバウンダリー(境界線)がはっきりしない。相手が落ち込んでいると自分も落ち込む。他人の問題にのめり込んだり、相手からの精神的・身体的・性的な侵入を許してしまったりする。
□ 罪悪感に襲われやすく、相手の問題は自分の問題と思い込みやすい。
□ 過去の人間関係の誤りから学ばず、同じ間違いを繰り返す。
□ 被害者意識にとらわれ、自分は犠牲者と思い、弱弱しくなる。
□ 自分の周囲に原因があるのに、波風を立てないよう、問題を明らかにしない。
□ 相手から離れず、「しがみつく」ことを、「愛情」と誤解している。
□「こうあるべき」という通念、「こうなるはず」という空想にとらわれている。
□ 相手の気持を敏感に察し、先へ先へと考えたり、心配したりする。
□ “No”と言えず、なんでもかんでも引き受け、疲れたり、恨んだりする。
□ 責任感が強過ぎ、なんでもがむしゃらにやりこなす。
- Harm Reduction
危害低減、本人および周囲の人々が嗜癖行動の危害から速やかに回避されるよう努力すること - Medication
薬物療法、行動嗜癖においても、有用な薬物があれば積極的に用いる - Psycho-Socio Therapy
認知行動療法、ストレスコーピング、治療共同体
感情調整・衝動制御・行動抑制/認知・思考訓練 - Self Help Group
当事者による能動的な治療に優るものなし
問題克服のへの個人の責任×依存への個人の責任
モラル・モデル、刑事司法モデル
認知行動モデル
スピリチュアルモデル
医療疾病モデル
「より良い生き方」プログラム
月曜ナイトケア;19:00頃-20:00迄
社会適応・改善(不適応・過剰適応からの)を目的とした「集団精神療法(認知行動療法・森田療法・内観療法など)」 疾患にとらわれず「生きづらさ」を感じてこられた方々と「より良い生き方」を模索するプログラムです。
治療の流れ
1. 心理教育(事前・個別)。
2. 集団精神療法;自助グループにならい、「言い放し・聞き放し」を原則、支持は歓迎、批判は厳禁。
3. 洞察(気づき)を深め、行動化→言語化→文字化していきましょう。
4. 通常のデイケアと同様、自分史・取説(家族歴・生活歴・現病歴・再燃予防策)を書きましょう。
5. お世話いただいた方々へ感謝、ご迷惑をおかけした方々へ謝罪のお手紙を書きましょう。
6. 新人・後輩が入ってきたら、積極的に援助しましょう、他者を助けることにより、自分が助けられます。