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精神医学

不安焦燥状態

不安焦燥状態(Anxious Agitation)とは?

不安焦燥状態(Anxious Agitation)とは、強い不安感と焦燥感(落ち着きのなさ)が同時に現れる精神的・身体的な状態を指します。
この状態では、
「強い不安を感じながら、じっとしていられない」「何かしなければならないが、何をすればいいのかわからない」という心理が特徴的です。


1. 不安焦燥状態の主な症状

✅ ① 精神的な症状

  • 強い不安や恐怖を感じる
  • 理由のないイライラ・焦り
  • 絶え間ない心配(過剰な思考)
  • 「何か悪いことが起こるのではないか」と感じる
  • 注意が散漫になり、集中できない

✅ ② 身体的な症状

  • 動き回る、じっとしていられない
  • 貧乏ゆすりや指をいじるなどの無意識な動作
  • 過呼吸、動悸、息苦しさ
  • 手足の震え、発汗、めまい
  • 食欲不振・消化不良
  • 寝つきが悪い・途中で目が覚める(不眠症)

「強い不安」+「落ち着きのなさ」の両方が同時に起こることが特徴。


2. 不安焦燥状態が見られる主な疾患

不安焦燥状態は、さまざまな精神疾患や神経疾患の症状として現れることがあります。

疾患名不安焦燥状態の特徴
全般性不安障害(GAD)持続的な不安と焦燥感が続く
パニック障害パニック発作後に不安と焦燥が強くなる
うつ病(特に非定型うつ)何かしなければと焦るが、行動がうまくできない
双極性障害(躁うつ病)混合状態のときに、不安と焦燥が同時に起こる
強迫性障害(OCD)強迫的な考えが止まらず、落ち着かなくなる
統合失調症妄想や幻覚による強い不安と焦燥
薬物離脱症候群ベンゾジアゼピンやアルコールの離脱症状として現れる
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)ホルモン異常による不安・動悸・焦燥感

特に「不安障害」「うつ病」「双極性障害」「パニック障害」では、不安焦燥状態がよく見られる。


3. 不安焦燥状態の原因

不安焦燥状態の背景には、脳内の神経伝達物質の異常やストレスの影響が関与しています。

✅ ① 神経伝達物質の異常

  • ノルアドレナリンの過剰活性化 → 過度な覚醒状態になり、焦燥感が強まる
  • セロトニンの低下 → 不安を抑える働きが弱くなり、不安感が増す
  • ドーパミンの乱れ → 強迫的な思考や妄想を引き起こすことがある

これらのバランスが崩れると、不安と焦燥がコントロールできなくなる。


✅ ② ストレスや環境要因

  • 仕事や人間関係のプレッシャー
  • 睡眠不足・生活習慣の乱れ
  • 大きな環境の変化(引っ越し・転職・離婚など)
  • トラウマや過去の出来事(PTSDなど)

慢性的なストレスが続くと、不安と焦燥感が強まる。


✅ ③ 身体的な要因

  • ホルモンバランスの乱れ(甲状腺の異常、女性のPMSや更年期)
  • 低血糖や鉄欠乏(エネルギー不足が不安を引き起こす)
  • 薬物やカフェイン・アルコールの影響

身体の不調があると、不安焦燥状態が悪化することがある。


4. 不安焦燥状態の治療と対処法

不安焦燥状態の治療には、薬物療法・心理療法・生活習慣の改善が重要になります。


✅ ① 薬物療法

  • 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)
    • 例:アルプラゾラム(ソラナックス)、ロラゼパム(ワイパックス)
    • 即効性があり、不安を和らげるが長期使用には注意が必要
  • 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
    • 例:エスシタロプラム(レクサプロ)、パロキセチン(パキシル)
    • 長期的に不安を軽減するが、効果が出るまで時間がかかる
  • β遮断薬
    • 例:プロプラノロール
    • 動悸や震えを抑えるために使用されることがある

医師と相談しながら、適切な薬を選択することが重要。


✅ ② 認知行動療法(CBT)

  • 「不安や焦燥の原因となる考え方」を修正する
  • 「最悪の事態ばかり考える」クセを直す
  • 「行動を変えることで、不安の軽減を図る」

心理療法を取り入れると、長期的な改善につながる。


✅ ③ リラクゼーションとストレス管理

  • 深呼吸(4秒吸って、8秒吐く)
  • 瞑想・マインドフルネス
  • ヨガや軽い運動(ウォーキング・ストレッチ)
  • ぬるめのお風呂に入る(リラックス効果)
  • アロマテラピー(ラベンダー・カモミール)

自律神経を整えることで、不安と焦燥感を和らげる。


✅ ④ 生活習慣の改善

  • 規則正しい睡眠(寝る前のスマホを避ける)
  • カフェイン・アルコールを控える
  • 血糖値を安定させる食事(低GI食品・タンパク質を多く摂る)

生活習慣を見直すことで、不安の発生を減らすことができる。


5. まとめ

不安焦燥状態とは、強い不安感と焦燥感(落ち着きのなさ)が同時に現れる状態
全般性不安障害、パニック障害、うつ病、双極性障害などで見られることが多い
神経伝達物質の異常やストレスが原因となる
薬物療法・認知行動療法・リラクゼーション・生活習慣改善が有効
「一人で抱え込まず、専門家や周囲のサポートを受ける」ことが大切

不安焦燥状態は、適切な治療とセルフケアによってコントロールが可能です!

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  • 3. 不安焦燥状態の原因
    1. ✅ ① 神経伝達物質の異常
    2. ✅ ② ストレスや環境要因
    3. ✅ ③ 身体的な要因
  • 4. 不安焦燥状態の治療と対処法
    1. ✅ ① 薬物療法
    2. ✅ ② 認知行動療法(CBT)
    3. ✅ ③ リラクゼーションとストレス管理
    4. ✅ ④ 生活習慣の改善
  • 5. まとめ
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