都心の企業では皆様、夜遅くまで働かれていて、土日に出勤されている方も少なくありません。本人の意思とは関係なく、職務のノルマや職場の雰囲気から帰宅できないことも少なくありません。特に高圧的な上司に支配されている職場では、実際の職務より全体の雰囲気からなかなか帰宅できず、結局、終電やタクシーで帰宅することになるようです。
心療内科・精神科へもパワハラの被害者が数多く受診されています。皆さん善良で真面目な方ばかりで、言われたことやされたことを深刻に受け止め、悩んでいらっしゃいます。いわゆるうつ病の病前性格にも相当されるような方々です。
一方で加害者というのは、被害者である方々からうかがうところ、いわゆる自己愛性人格に相当するように思われます。すなわち自尊心や虚栄心が強く、自分の利益のために部下を利用したり他者を操作したりする人々です。このような人格は一方で、自分より上位の人々に対してはへりくだり、社内でも高い業績を上げることが少なくないので、その上司や社内での評判は良かったりもします。従って、被害者は益々、被害の実状を告発することができず、窮地に追い込まれ、結局、発病に至ってしまうわけです。
このような地位や権力を利用した嫌がらせをパワーハラスメント(パワハラ)と呼びます。日本の「縦社会」な職場においてはこれまで日常的・常識的に行われてきたところもありますが、昨今の国際的な職場においては、異常・問題として見なされ、時には処分の対象になることもあります。しかし、被害に遭っている部下からなかなか言い出せるものではなく、結果的にうつ病やストレス関連障害を発病してしまうこともあります。
このような被害に遭わないためには、まず行われている行為がパワハラであると認識すること、職場内に理解者・協力者を求めること、レベルに応じては告発・訴訟も辞さないことです。しかし元々、善良で真面目な方々ですから、なかなかそういった行動を直ぐに取れるとは限りません。ともすると、「私が悪いのか」「もっと頑張らなければ」と考えて自分を追い込んでしまうのです。そして、適応障害やうつ病の発病に至ります。心療内科・精神科は、職場でのパワハラに悩まれている方々の心身の健康をサポートいたします。職場での理不尽な言動、不当な処遇に悩まれ、不眠、不安、倦怠、頭痛、抑鬱気分、意欲低下などを生じている方はどうぞお気軽にご相談して下さい。