平成25年度からの第6次医療計画において「精神疾患」が追加され「5疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)」として新たな医療体制が構築されています。これらは「生活習慣病」とされ、毎日の生活や行動が重要です。精神疾患は法的に「生活習慣病」と定義されていませんが、治療や予防の基本は睡眠・食事・活動(運動など)ですから、広義に「生活習慣病」と考えてよいでしょう。そして、狭義の「生活習慣病」が精神疾患に影響をおよぼし、精神疾患が「生活習慣病」に影響をおよぼす、いわゆる「相互関係」にあることは臨床現場においては、常識と言っても過言ではありません。そこで「生活習慣病」について学ぶことを通し、精神疾患の更なる改善に役立てましょう。
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インスリン分泌障害
1. 膵臓からのインスリン分泌が障害されている。
2. インスリンが少ないため、細胞が糖を取り込めない。
インスリン抵抗性亢進
1. インスリンは分泌されている。
2. インスリンの効果が低下しており、大量のインスリンを必要がなっている。
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高血糖症の検査
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高血糖症の診断
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血糖コントロール目標
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高血糖症の食事療法
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・食物繊維の多い野菜、海藻、キノコをとりましょう
・薄味を心がけ、食塩の摂取を控えましょう(男性7.5g/日、女性6.5g/日以内、高血圧合併を伴う場合6g未満/日)
・アルコールはほどほどに(1日25g)例:缶ビール350mL1本
・肝機能障害、ほか合併症を併発している場合は禁酒
摂取エネルギー量の目安 = ①標準体重 × ②身体活動量
①標準体重(kg) =身長(m)×身長(m)×22
②身体活動量(kcal/kg 標準体重)
=25~30 軽労作(デスクワークが多い職業など)
30~35 普通の労作(立ち仕事が多い職業など)
35~ 重い労作(力仕事が多い職業など)
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高血糖症の運動療法
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高血糖症の治療薬
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1型糖尿病; インスリンが必要です。
2型糖尿病: 食事療法・運動療法により血糖管理できない際、経口血糖降下薬やインスリンまたはGLP-1受容体作動薬を用います。
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「インスリン抵抗性」とは、インスリンが効きにくくなっている状態であり、この改善薬として「ビグアナイド系薬(BG)」があります。
・BGは、肝臓の糖新生を抑制し、血糖値を下げます。
・BGは、筋肉へ糖の取り込みを促進し、血糖値が下げます。
・BGは、腸管の糖吸収を抑制、血糖値を上昇するグルカゴンの働きも抑制します。
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「DPP-4(Di Peptidyl Peptidase-Ⅳ)」という酵素は「インクレチン」というホルモンを分解します。そこで、DPP-4を阻害することにより、インクレチンは分解されず、インスリンの分泌が促進されるのです。
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「インスリン」は「膵臓のβ細胞」から分泌されます。β細胞には「SU受容体」が存在します。SU受容体に薬が結合することにより、インスリンが分泌されます。この薬を「SU剤.スルホニル尿素薬」と呼称します。作用時間は12~24時間と長いため、常にインスリン分泌が促されます。このため、空腹時や運動後などに副作用として「低血糖」を生じることがあります。
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“GLP-1”は「膵臓に作用し、インスリン分泌を促進するホルモン」です。これにより、血糖値が下がります。GLP-1は体内ですぐ分解されるため、分解されにくいよう、構造を少し変えることで糖尿病治療薬となりました。
ただし、日本糖尿病学会は、2型糖尿病治療以外を適応症として承認されたGLP-1受容体作動薬は存在せず、美容・痩身・ダイエット等を目的とする適応外使用に関し、安全性と有効性は確認されていません・・・
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目標
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