平成25年度からの第6次医療計画において「精神疾患」が追加され「5疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)」として新たな医療体制が構築されています。これらは「生活習慣病」とされ、毎日の生活や行動が重要です。精神疾患は法的に「生活習慣病」と定義されていませんが、治療や予防の基本は睡眠・食事・活動(運動など)ですから、広義に「生活習慣病」と考えてよいでしょう。そして、狭義の「生活習慣病」が精神疾患に影響をおよぼし、精神疾患が「生活習慣病」に影響をおよぼす、いわゆる「相互関係」にあることは臨床現場においては、常識と言っても過言ではありません。そこで「生活習慣病」について学ぶことを通し、精神疾患の更なる改善に役立てましょう。
「高尿酸血症」は、尿酸産生過剰型、尿酸排泄低下型、腎外排泄低下型(腸管)に分類されます。
「プリン体」という排泄物が、「尿酸」であり、核酸の成分でもある「尿酸」は尿に排泄されます。しかし、不適切な食事やアルコールを多量摂取していると、「尿酸」が体内の一定量をオーバーします。
「キサンチンオキシダーゼ」を阻害すると、プリン体から尿酸合成を抑制できます。この作用を促進する薬が「アロプリノール」です。「アロプリノール」は、「オキシプリノール」へ変換されます。さらに、「オキシプリノール」も「キサンチンオキシダーゼ」を阻害する作用があります。尿として濾過された「尿酸」のうち、尿中に排泄される量は6-10%、残りの90-94%は再び体内へ再吸収されます。「尿中の『尿酸』が体内へ再吸収されれる過程」を抑制する薬が「ベンズブロマロン」です。
「痛風」とは、体内の尿酸が過剰となり、足の関節などに「尿酸・結晶」が沈着し、関節に激しい炎症が急激に発症する病気です。特に、足趾や足首に起こり、激しい痛みを生じます。「尿酸・結晶」は、腎臓にも付着し、腎機能障害など、様々な病気の原因となります。尿酸・結晶を、白血球・好中球が取り込むと、炎症を引き起こす物質が放出されます。これにて「激痛発作」が生じます。
「結晶化した尿酸」と「血液中の尿酸」とは増えたり減ったりしています(6.4mg/dLを越えた尿酸は、血液中と結晶化で平衡状態となります)。高用量の薬にて急激に「血液中の尿酸量」が低下させると、体内で「結晶化した尿酸」が大量に血液中に放出され、均衡を保とうとします。「結晶化した尿酸」の急激な溶解を試みると、結晶が剥がれ落ちます。「剥がれ落ちた尿酸の結晶は」、生体にとり異物として認識され、「白血球」により攻撃されます。 このにより、関節で強い炎症が起こります。これが「痛風発作」です。したがって、「血液中の尿酸」は少しずつ低下させていくことが肝要です!