
「漢方薬」とは、自然界にある植物や鉱物などの「生薬」を複数組み合わせて作られた薬です。 数千年の治療経験により、「生薬」の組み合わせにより、作用・副作用を確かめ、体系化されました。現在「製剤」として加工され、「医療用 漢方製剤」は148種類が厚生労働省に承認されています。
「生薬」とは、具体的に植物の葉・花・つぼみ・茎・枝・根、菌類、鉱物や昆虫などです。これらを複数、組み合わせ、相乗効果を期待します。例えば・・・
「桃仁(とうにん)」は桃の種
「葛根(かっこん)」葛の根
「芍薬(しゃくやく)」芍薬の根
「牡蛎(ぼれい)」カキの貝がら

数千年前の古代中国に発生し、5-6世紀に日本へ伝来されました。その後、日本の風土・気候、日本人の体質に合わせ、独自の発展を遂げ、日本の伝統医学となりました。特に、17世紀頃、発展・体系化し、現在に至ります。「漢方」という名称は、西洋医学である「蘭方」と区別するためによります。中国の伝統医学である「中医学」とは異なります。
701 794 1336 1603 1868 1926 1976
飛鳥時代 平安時代 室町時代 江戸時代 明治時代 昭和時代 昭和・平成・令和時代 中国の伝統医学が伝来 日本の伝統医学として 衰退・存続・復興 発展

1. 望診(ぼうしん)
顔色・表情・態度・姿勢・体格などを診ます、「舌診(ぜっしん)」を行うこともあります。
2. 聞診(ぶんしん)
声の大きさ・高さ、話し方、咳・痰の様子、呼吸音などを聞きます、体臭や口臭を嗅ぐこともあります。
3. 問診(もんしん)
主訴、既往歴、仕事・生活習慣(食事、運動、睡眠など)、月経などについて質問します。
4. 切診 せっしん
体に触れ、状態を診ます。「脈診」と「腹診」。

「証」とは、「体力、病気に対する抵抗力のものさし」です。その人の症状や体格などから判別します。そして「証」に合った漢方薬を処方します。
「気・血・水」とは、「不調の原因をはかるものさし」です。人の体はこの3つが体内をうまく巡ることにより、健康が維持されています。しかし、足りなくなったり、滞ったり、偏ったりすると具合が悪くなります。


漢方医学の特徴
自然科学・伝統医学、先人による治療経験の集積
心身一如、全人的医療
その人の体格や体質を踏まえて症状を診る、未病を予防する
生薬を混合した漢方薬を処方、複数の成分が含まれているため、複数の症状に効果ある
西洋医学の特徴
客観的・実証的・科学的
臓器別、疾患別
治療ガイドライン
化学的な化合物を処方する
漢方が適切な症状
虚弱体質、冷え症、老化現象(腰痛や記銘力低下)など
胃腸症状;胃もたれ・食欲不振・便秘など
精神症状;不眠・不安・焦燥・抑うつなど
婦人科症状;月経困難症、不妊症、更年期障害など
アレルギー症状