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女王様

まり子35歳は大手コンサルティングファームにてマネージャーを務める才色兼備のキャリアウーマン。アナリスト時代は正確にデータを分析し、コンサルタント時代は複雑なプロジェクトも明解に遂行した。そしてマネージャーへ昇格した。上司であるパートナーらは、まり子へクライエントと交渉、チームの管理に大きな期待をした。

しかし1-2年過ぎると期待は裏切られる形となった。内外よりクレームが多々寄せられるのである。内容はいずれも「厳し過ぎる」ということである。言うことは理にかなっているが、相手の気持ちを考えず、意見のみを述べる。まり子は日本語も英語も大変流暢に話し、相手に反論の余地を与えない。しかも相手の意見は半分しか聞かず、自分の意見を主張した。言われた側は打ちのめされた気分になり、終いには契約解除を伝えた。

上司であるパートナーはまり子へ状況を説明、反省を求めた。それに対し、まり子は自分の正当性を主張、相手に問題あると、決して否を認めなかった。上司はあきれ、会議にかけ、まり子を左遷した。すると、まり子は上司をパワハラで訴えるという行動に出た。社内は収拾がつかなくなった。

まり子の言動の原因は・・・生い立ちにあった。まり子は父母・兄妹の5人家族に育った。父は税理士、母は父の事務所を手伝っていた。両親とも子どもたちへ教育熱心であるが、仕事が忙しく十分愛情を注げたとは言えなかった。まり子は特に中間子のため、愛情は分散され、兄妹と比較された。兄は優秀で、公認会計士となるが、いつも兄の背を追っていた。妹も優秀であり、姉としては負けられないというライバル心を抱いた。

まり子も優秀で、地元の進学校へ進学。兄と同じ有名国立大学を志望した。しかし一浪しても合格せず、有名私立大学へ進学した。まり子は女性ながら数学や理科は得意だったが、国語を苦手とした。論文は理解できても、文学作品の行間を読めなかったのである。

まり子は人生初の挫折を味わった。大学受験で負けたけれど、就職したら逆転すると心に誓った。兄は資格取得、父の後継として進んでいたため、まり子は大企業で大事業に関わろうと考えた。志かない、コンサルティングングファームへ就職、優秀な新人として期待されたが、人生は思い通りにいかなかった・・・

「ホワイトカラー・サイコパス」
社会生活は問題なく、むしろ成功しているが、日常生活で問題を生じることあり。言葉巧みに相手を動かすが、動かされた側は不快感を覚える。相手と対等な関係を築かず、優劣にこだわる。お世辞を述べたり、愛想良く振る舞ったりするが、相手へ心から共感することができない。

「サイコパス」は反社会的な行動を伴い、犯罪に至るケースが多いが、「ホワイトカラー・サイコパス」は向社会的な行動により、成功を収める。ただし長期的には本例の通り、人生のどこかで破綻を生じることが少なくない。両者ともパーソナリティを説明する用語だが、神経発達に病因あり、脳科学の研究も少しずつ進んでいる。

  1. 生きるか死ぬか

  2. 女王様

  3. わたしはアイドル

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